この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第1章 今年の2月13日…と2月9日の話
何なの?
この満点サービスッ
まだ 旦那さんじゃないけど
私の旦那さん有能すぎん?
コトンと醤油とポン酢を
両方テーブルに置いて
「あっ、そのポン酢、
果肉が入ってるカボスの生絞りのやつ」
じっと視線を向けられてるのを感じて
「しばし…待たれよ」
そうどこかで聞いた
フレーズを透真が言ってののかに
醤油を小皿に入れるのを止めると
長方形の間仕切りの付いた薬味皿を
自分とののかの前に透真が置いて
「と、透真…、これは…つまり、
牡蛎の、味変が楽しめると?」
「いや、ののかがポン酢も捨てがたいって
顔をしてたから、両方がいいのかな~って
俺は思って…、って聞いてないか」
嬉しそうな顔をしながら
牡蛎をののかが頬張っている姿を
こうして見ていると
用意して良かったなぁと思ってしまう
「まぁ、ののかが気になってる事はさ
俺も大体さ分かるから、先に言うけど。
これに使ったレモンの残りだったら、
冷蔵庫のチルドルームに入ってるからね」
「えっ、私っ…まだ
レモンの話…してないのに?」
そう私はまだ この牡蛎の
レモン漬けに使った
残りのレモンの行方は
彼には聞いてないのに
先にレモンの残りの在処を
透真に言われてしまって
これじゃあ私がレモン欲しかったの
透真に丸わかりじゃん
「君が炭酸水にレモン入れるのが、
好きな事位知ってるからな。
ポッカレモンよりも、フレッシュな
レモンがいいって何度も言ってたじゃん?」
そうレモンについて
呆れ気味に透真が言って来て
そうか 自覚…してなかったけど
そんなにレモンの事言ってたんだ 私
夕飯を済ませて 片付けは慎んで
こちらからすると申し出た
私が洗い物をしていると
リビングで寛いでいた
透真が時計を見て時間を確認すると
「今日は定時に帰れたから、
時間あるな…、ちょっとさ
腹ごなしついでにさジムに
行って来てもいい?」
家の近くにと言ってもちょっと距離があるけど
透真からしたらジョギングするついで位の
距離の場所に24時間営業のジムが出来て
こうして暇を
見ては行ってるみたいだけど
「はーい。その間にこれしながら。
お風呂用意しておくから、
ジムに行って来てくれていいよ」
「遅くなりそうだったらさ、
先に風呂を済ませて置いてくれる?」