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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第1章 今年の2月13日…と2月9日の話

何なの? 

この満点サービスッ

まだ 旦那さんじゃないけど

私の旦那さん有能すぎん?


コトンと醤油とポン酢を
両方テーブルに置いて

「あっ、そのポン酢、
果肉が入ってるカボスの生絞りのやつ」

じっと視線を向けられてるのを感じて

「しばし…待たれよ」

そうどこかで聞いた
フレーズを透真が言ってののかに
醤油を小皿に入れるのを止めると

長方形の間仕切りの付いた薬味皿を
自分とののかの前に透真が置いて

「と、透真…、これは…つまり、
牡蛎の、味変が楽しめると?」

「いや、ののかがポン酢も捨てがたいって
顔をしてたから、両方がいいのかな~って
俺は思って…、って聞いてないか」

嬉しそうな顔をしながら
牡蛎をののかが頬張っている姿を
こうして見ていると

用意して良かったなぁと思ってしまう

「まぁ、ののかが気になってる事はさ
俺も大体さ分かるから、先に言うけど。
これに使ったレモンの残りだったら、
冷蔵庫のチルドルームに入ってるからね」

「えっ、私っ…まだ
レモンの話…してないのに?」

そう私はまだ この牡蛎の
レモン漬けに使った
残りのレモンの行方は
彼には聞いてないのに

先にレモンの残りの在処を
透真に言われてしまって
これじゃあ私がレモン欲しかったの
透真に丸わかりじゃん

「君が炭酸水にレモン入れるのが、
好きな事位知ってるからな。
ポッカレモンよりも、フレッシュな
レモンがいいって何度も言ってたじゃん?」

そうレモンについて

呆れ気味に透真が言って来て

そうか 自覚…してなかったけど

そんなにレモンの事言ってたんだ 私


夕飯を済ませて 片付けは慎んで
こちらからすると申し出た

私が洗い物をしていると
リビングで寛いでいた
透真が時計を見て時間を確認すると

「今日は定時に帰れたから、
時間あるな…、ちょっとさ
腹ごなしついでにさジムに
行って来てもいい?」

家の近くにと言ってもちょっと距離があるけど

透真からしたらジョギングするついで位の

距離の場所に24時間営業のジムが出来て

こうして暇を
見ては行ってるみたいだけど

「はーい。その間にこれしながら。
お風呂用意しておくから、
ジムに行って来てくれていいよ」

「遅くなりそうだったらさ、
先に風呂を済ませて置いてくれる?」


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