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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第7章 2月14日の話
「これ…、使い切りタイプの袋入りの
ローション?チョコの味のするやつ。
それから、まだ何か入ってる…」
「なかなかにさ、サービス良すぎる
ホテルじゃない?ちゃんとスタッフからの
お礼のコメントが、返してあるし。
結構、リピーターも多いんだな…」
「スタッフの人が女性なんじゃないかな?
オーナーさんが、女性とか。
そう言うホテルって、アメニティとか
サービスが、女性目線だから」
ごそごそと袋からそのもう一つの
何かを取り出すと
赤いサテンのテカテカとした生地で
黒のレースがあしらわれている
何かが出て来て
その袋を開けて
中身の赤い何かを取り出して広げると
それは真っ赤なサテン生地で出来た
ハートの形をした簡単な作りの
アイマスクだった
「アイマスクか。
そんな物まで、ハート型なんだな。
このホテルの異様なまでの、
ハートへの拘りが垣間見える様だな」
でも アイマスク 1つも
こんな形でこんな色だし
寝る時に使いなさいって意味じゃ…無いよね?
つまり これの使用方法は…その
「折角のサービスの品なんだしな、
どうする?使いたいか?ののか。
素敵な…バレンタインを過ごすんだろ?」
そう肩に手を添えられて
耳元で透真が囁いて来る
「それは…使うかどうかは、
透真が決めて…いいよ?
だって、今夜は…
バレンタインなんだし…」
「その後を、もうひと声…欲しい所だな」
透真が私に言わせたい
言葉の続きなら…
何となくだけど 理解出来て…は要る
「まぁ、それは…その時に
言ってくれればいいし、
とりあえず、早めに夕食にする?
あ、ののかも、このノート見る?
読んでると中々面白いぞ、これ」
透真がソファにいつの間にか座って居て
置いてあったフードのメニューを見ながら
トントンと隣に座る様にソファを叩いた
「ここに座んなよ、ののか。
メニュー一緒に見ようよ」
透真の隣に座って
彼の見ているメニューを見ると
どうにもメニューも
手作り感のあるメニューで
メニューの端にお時間を頂きますと
注意書きがしてあったが
注文してそれを待っている間に
透真が面白いと言っていた
ノートに目を通していると
「ご飯美味しいって、凄い書いてある」