この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第7章 2月14日の話
「フード系のメニューの品数はさ、
少な目な感じだけどね?」
それからしばらくして
部屋に届いた料理を見て
気が付いた事がある
立派な有頭エビのエビフライと
ハンバーグとグラタンが乗って居て
その横にイタリアンスパゲティと
大根サラダが乗って居て
ピラフとサンドイッチが乗っていて
かなりボリュームがある
その盛り付け方に既視感があった
その違和感の様な物は
隣に居た透真も感じていた様で
「あのさ、デジャブ感あるんだけど。
この料理に見覚えがあるのはさ、
俺だけの気のせいじゃないよね?」
この豪快な量のボリュームの
ワンプレートのランチを提供してくれる店に
何度か 透真と
一緒に行った事があったからだ
「やっぱり、透真も…、そう思ってた?
私もそれがね、気になってたんだけど。
あの店の、盛り付け方に似てるなぁって。
あそこ、名前覚えられないんだけど。
ホラ、テントウムシの店…」
テントウムシの店と言うのは
ののかが付けた通称の様な物で
フランス語かそっちの長い店名だったので
しばしばに社内でもテントウムシの店で
会話の話題になる店の事で
味もいいし 値段もそれなりで
兎に角ボリュームがあるので
男性社員にもリピーターが居る喫茶店だ
「ここの料理が、
あの店と提携してるのか?」
ワンプレートでボリュームが多いだけなら
盛り合わせれば同じように見えるか
そう透真が考えていると
「大根サラダ、
食べたら分かるんじゃない?
あそこの大根サラダのドレッシングは
そこの自社製だから。味が違うもん」
似てるのは見た目だけなのかは
大根サラダを食べたら分かると
ののかが言って来て
「そう言えば…、前に一度
レジの横に売ってたドレッシングを
買って帰った事があったか」
隣の方に目を向ければ
美味しそうな顔で
大根サラダを頬張ってるののかが見えて
聞くよりも食べた方が早いかと
透真も大根サラダをフォークで
一口 口に入れた頬張った
「…この味…、やっぱりあの店の」
「そうだよね?大根サラダ。
テントウムシの店の味する」
何かそれを確定付ける物がないかと
デザートのメニューを見ると
「あ、このイチゴのパフェも
あそこと一緒だね、クレープも
美味しいもんね、フルーツ沢山で
あ、ここに、同じロゴが付いてるよ」