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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第7章 2月14日の話
「けどさ、折角あの店と
提携してるんだったらさ。
何か、ケーキでも頼まない?
本格喫茶のコーヒーが味わえるなら、
あった方がいいんじゃない?」
透真がコーヒー豆を挽いてる間に
ケーキのメニューを眺めて
その中から透真は
抹茶のケーキにして
私は地元のイチゴの乗った
チョコレートタルトにして
部屋の電話から注文した
「ホラ、ドリッパーも
カリタとハリオとあるよ?」
透真が立ち上がって
「俺がコーヒー淹れるから」
「はいはい、言うと思った。
私はコーヒー興味ないし、
透真さんにお任せするよ」
ドリップに使うフィルターも
数種類用意されてたらしくて
透真がコーヒーへの拘りを
あれやこれやと語りながら
ドリップしてたけど
コーヒーにあまりそこまでの
思い入れもない私からすれば
割と右から左になる感じだったけども
丁度 ケーキが届いたタイミングで
コーヒーが入ったらしく
目の前に透真が備え付けの
コーヒーカップに入れたコーヒを置いた
「わぁ、こんな所までハートなんだね」
そうののかが感嘆の声を漏らして
カップのコーヒーがハートになっていて
その光景に目を細めていた
「ののかはコーヒーよりもさ、
ホットチョコレートの方が
良かったんじゃない?」
「え?ホットチョコレート?」
「あったよ?ホットチョコレート」
そう言って 他にもある紅茶や
コーヒ豆 日本茶の中に混じっていた
ホットチョコレートの方を指さした
「え?でもさ。
ホットチョコレートならさ、
ホットミルク居るじゃん」
「冷蔵庫に、小さい牛乳があったよ?
それに電子レンジもあるからな。
飲めるよ?ホットチョコレート」
「透真っ…」
「どうしたの?ののか」
「ノート書く、
ホットチョコレート飲みながらッ」
どうやら
ホットチョコレートと
牛乳のサービスも
このバレンタインの間の限定らしい
淹れた挽きたてのコーヒーと
美味しいケーキを頂いて
ケーキを食べ終えたののかが
透真の分の皿と自分の皿を重ねて
邪魔にならないように
それをテーブルの隅に寄せた
「じゃあ、ののかが
ノート書いてる間さ、あれしてるわ」