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雨宮さんちのバレンタインとホワイトデー
第7章 2月14日の話
そう言って透真が
指差した方向を見ると
スロット台が設置されて居て
「お風呂のお湯張りしながら、
ノート書いてたら丁度いい感じに
お湯張りしてる間に書けそうだし、
ちょっと、お湯張りしてくるね」
そう言ってののかが
メゾネットの二階にある
バスルームにお湯張りをしに行って
しばらく備え付けられている
スロットで透真が遊んでいると
お湯張りをしに行ったまま
ノートを書くと言っていたのに
ののかがまだ降りて来てなくて
「ねぇねぇ、透真~。
泡風呂の泡の上にさ、
このフラワーペタルのソープ乗せようよ
お風呂もハートだし、きっと可愛いよ」
「だったら、写真でも撮ちゃう?
折角さ、そんな綺麗にしてあるからさ
花崩しちゃう前にさ、
服着たままで撮っても良くない?」
「うん、そうだね。崩す前に
可愛いから写真は撮って置こうかな?
ベッドの上のハートのフラワーソープ」
それから数枚写真を撮って
お風呂の泡とお湯の準備をしながら
ノートに利用した感想を書こうと
ノートを開いてののかが
何を書こうか文章を考えていると
「おっ、これ、来たんじゃない?…」
スロットの台の前に座っていた
透真がそう言って
賑やかなメロディとライトの点滅を
するスロットとしばらく向き合って
急に立ち上がったと思ったら
フロントに電話をし始めたので
「どうしたの?透真」
何事かと思ってそちらを見ると
「バレンタインのイベントで、
普段よりもスロットもさ、設定が
当たりやすくしてあるらしくてさ」
電話での会話の合間に説明して来て
しばらく 電話でフロントの人と
透真がやり取りとして
その受話器を置いた
「何でも、バレンタイン向けの
ちょっとしたプレゼントがさ
サービスで貰えるみたいだけど?」
「そうなんだ、サービスが凄いねここ」
それから10分ほどして
スタッフの人が部屋まで
景品を持って来てくれて
さっきのケーキの空いた皿と引き換えに
透真がそれを受け取った
そのラッピングされた
赤いメタリックの袋に掛けられた
リボンを解いて
透真がその袋の中身を確認していて
ズズッとホットチョコレートを
ちびりちびりと飲みながら
ののかはノートを書いていた