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P.S. I love you
第1章 P.S. I love you
君は体をガタガタ震わせていた。

その体の震えを、僕は抱きしめて押さえた。



あれでよかったのかな。


君が求めていたのは、僕の腕なんかじゃなかったよね。


「採用」の判だ。


なのに僕は、
君を抱きしめたとたんに、
自分を抑えられなくなってしまった。



あの時は一方的にキスなんかして、悪かった。


けど僕は、君の唇に触れた瞬間、気が付いたんだ。


ああ、僕はずっと、こうしたかったんだ、って。


君はそっと僕の背中に手を回して、僕を受け入れてくれたね。


薄い舌が僕のそれをつついた瞬間、
僕は溶け落ちてしまいそうになった。


君の口づけに、
僕は立っているのがやっとだった。

燃えだした火の消し方が分からなかった僕は、
君から唇を離すと、言ってしまった。



「今夜、エスタシオンバーで待っていて」




渋谷の交差点を見下ろす高層階のバーで、
君は一人、スツールに腰かけ、
ピンと背筋を伸ばして座っていた。


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