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君と偽りのドライブに
第3章 1‐2:真意
「じゃあ、土曜日……昼前に車で迎えに行くから。
途中で昼飯食って、午後に見舞いに行って、帰りの道中で夜飯食うイメージで」
「車出すの? 電車でよくない?」
「一昨日は電車で行ったんだけど、駅から病院の接続が悪くてさ」
なるほど確かに、私は田舎町で唯一の総合病院を思い出して頷いた。
ああいう地方は、概して車を持たない人には優しくない街づくりをしている。
「わかった、じゃあ私は家で待ってればいいのね」
ごめんね、と彼は言い、苦々しげな笑顔で、
「頃合い見て、振られたってちゃんと言っとくからさ」
それって――それって、さ。
哲弥はそれでいいの、とは最後まで訊けずに、私たちはいつもどおり、素面で解散した。