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君と偽りのドライブに
第21章 2‐10:攻守
彼の背中に両手を回して、抱き締める振りをして柔く撫でる。
「……っ……」
汗をかく季節は終わったのに、彼の背中は湿っていた。
彼がびくりと体をしならせた。
「ちょ、有紗……」
私は彼の咎めるような声を無視して、手をするりと回し、脇腹をなぞる。
彼がびくびくと体をしならせ、下を撫でる手が覚束なくなってきた。
両手で彼の胸を撫で、茶色がかかったピンク色の部分を掠めると、彼は、「あっ……!」と一際大きい声を上げて背中を丸めた。
私は体をずらして、彼の下に潜り込んだ。
下を触っていた彼の指はあっけなく抜けた。
私は彼の体をぐっと引き寄せると、彼の左胸の敏感なところを口に含んだ。
「あり……さっ!」
哲弥は体を引こうとするけれど、快楽に耐え切れていない。
私に手を添えられているくらいじゃ、いつだって突き放せるはずなのに。
「気持ちい?」
私が舌を添わせたままそう聞くと、
「そのまま喋んないで……っ」
悲鳴のような声が返ってきた。