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君と偽りのドライブに
第22章 2‐11:はじめてを君に
「さすがに初日で三回戦はさせられない」
「……哲弥、そんな元気あるの」
哲弥だって私と同い年だし、たまにハイキングしてるとはいえ……。
「俺がどんだけ待ったと思ってんの。明日に残しておく体力ぜんぶ使い切っても気力でできる気がするよ」
哲弥は私を立ち上がらせると、裸のままふたりでお風呂まで行く。
シャンプーやら洗顔やらの説明をした哲弥は、じゃあ、ごゆっくり、と風呂場を出ようとした。
扉を閉める寸前、彼は私の髪を掻き上げて、首筋を確認した。
「ん、残ってる」
「……何が」
私もそこを鏡で確認する。赤く跡がついていた。
「……いつの間に?」
「いちばんはじめに」
そうだっけ。
一時間も経ってないだろうに、もう記憶が定かではない。
こいつ、所有印なんてつけるほど、独占欲の強い男だったのだろうか。
「俺はこれするのはじめてだから、ちゃんと残ってくれるかちょっとわかんないけど」
彼はそう言いおいて、今度こそドアを閉めた。
……はじめてなんだ。
思ってみれば、これまで好きでもない子としか付き合ったことなかったのなら、そりゃそうなのかもしれないけど。
私のはじめてを見られた分、彼のはじめても貰えていたようで、ちょっと嬉しくなって、私はいつもより優しく体を洗った。