この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
君と偽りのドライブに
第8章 1‐7:お泊まり
久々に入る哲弥の部屋は、子どもの頃より狭く感じた。
フェミニンな香澄ちゃんのパジャマを借りて、私は大学生のころまで哲弥が使っていたベッドに潜り込んだ。
「ごめんね、こっち借りちゃって」
「いいよ、もう俺のって感じもしないし」
哲弥はベッドの下の床に、客用の布団を敷いた。
「今日はありがとう」
哲弥が静かに言う。
「ううん、私も楽しかった」
少しの沈黙が流れる。
哲弥が言いづらそうに、
「……ほんとに俺の部屋でいいの。香澄ちゃんの部屋で……」
「気にしてないってば」
さっき廊下で香澄ちゃんに、本当は有紗お姉ちゃんと一緒に寝たいけど、仕方ないから譲ってあげると宣言されたところだ。