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君と偽りのドライブに
第19章 2‐8:心から



「あっ……あー、気持ちぃ……」

 女の子みたいな声を上げながら、彼は眉間に皺を寄せ、目を閉じて感覚に集中しているようだった。



 彼の頭を撫でたかったけれど、届かなかったので、私は彼自身に添えられた彼の手首をそっと握った。

「うぁ、有紗……」



 彼のモノが根元まで収まったとき、ちょうど私の最奥がぎゅっと圧される感覚がして、届いたことを実感した。

 彼の前髪を伝った汗が、私の胸に落ちた。

「ぴったりじゃん……」



 彼がようやく視線を上げ、私を見る。

「痛い?」

「痛くないよ」

 本当はちょっと痛かった。
我慢できない痛みではなかったからそう言ったのだけれど、



「嘘」

 彼は苦笑しながら、やはり汗ばんだ手が、私の頬を撫でた。

「痛そうな顔してんじゃん」



「……バレた?」

 へへ、と私も笑う。



「バレるよ。幼馴染み舐めんな」

 でも、と哲弥が言葉を継ぐ。

「けど、今は我慢すれば何とかなるレベルなんだろうってこともわかる。有紗はそういう人だから」



 ああ――哲弥は、私のことよく知ってるな。


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