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淫魔の宿へようこそ
第2章 訪ねてきた料理人
それは優しい感触でしたが、なぜか彼はぞくりと寒気がしたのです。
ドルードの細く狭められた目は笑っておらず、まるで獲物を狙う獣のようで。
ニコラスはドルードから逃げるように一歩後退りました。
しかし彼はすぐに二歩前に進み出て距離をつめてしまいます。
「あっ……ぅ……ぁ……」
自分より年若いはずの少年。
それなのにニコラスは怖くて喉がカラカラになって声が出てきません。
しまいに体が小刻みに震えてきます。
きつく目を閉じてしばらく。
そのままふわりと彼に抱きしめられてしまいました。
「……あ……」
その体はとても温かったのです。
それに安心したのでしょうか、なぜだか体中の力が抜けていきます。
ニコラスはその場に縫い付けられたように動くことが出来ませんでした。
「お…俺、は」
言いかけるニコラスを無視して、ドルードが壁に背をつけている彼の男物のシャツのボタンを外していきます。
一つ、二つ……
「君が嘘を付いていたなんてないよねえ…」
そう小さな声で囁くドルードにニコラスは何も言えません。
四つ程ボタンを外したドルードが襟の両側を静かに開くと、幅の広い布で幾重にも巻かれた、ニコラスの窮屈そうな胸と細い胴が現れました。
「クスクス…これ、どちらかというとドレスの方が似合いそうじゃないかな? 見てみようか」
ドルードは中央の谷間に指を入れると、くっと布を下に引きました。
「あっ、ダメ……っ」