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淫魔の宿へようこそ
第4章 悪魔のお客様達
そんな光景を時々笑いそうになりながら眺めていると、とうとう最後のお客様がやってきました。
神々しいプラチナの髪と柔らかな空色の瞳。
それはまるで天使のような姿をした見目麗しい人でしたが
「ドルード! 五十年ぶり。 彼女の様子は相変わらずか」
そう天使のような姿をした人が言いました……
(五十年……? 彼女?)
ニコルは目を丸くしました。
そしてドルードの後ろに控えていたニコルにチラリと視線を移し、
「やあ……これは美味しそうだ」
と呟いて舌なめずりしました。
「サイラス」
ドルードがゴホッと咳払いをし、
「ああ、失礼。 料理がね」
サイラスと呼ばれた天使(のような人)はふいとニコルから目線を外しました。
「まだお料理はお出ししていませんが……?」
「ニコル、君はもういいよ。 仕事に戻って」
「あ、はい!」
そうしてドルードに言われたニコルは厨房に戻りましたが……
(「美味しそう」…って、気のせいよね?)
プティングに使うカラメルソースをかき混ぜながらニコルが首を捻ります。