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淫魔の宿へようこそ
第4章 悪魔のお客様達
「君からはたまらなくいい匂いがする……これじゃ、いくらドルードでも変な気が起こんねえか?」
「はい?」
そしてサイラスはニコルの首筋に顔を近づけてクンクンと匂いを嗅いできます。
「うん……やっぱりデザートはこうじゃなくっちゃな」
「な、何ですか!?」
ニコルは飛び跳ねるようにして彼から離れましたがこんなに赤い顔で声が上擦っていたら、変に思われても仕方が無いかもしれません。
それに気付いているのか、サイラスはその場から離れてくれる気はないようでした。
「ちょっとだけな、味見したくなって」
「あ、味見?」
ニコルは後ずさりましたが、サイラスもじりじりと詰め寄ってきます。
心臓の鼓動がうるさいぐらいでした。
そしてとうとう壁際に追い詰められてしまいます。
伸ばされた彼の手がニコルの膝の上を這い、
「……っ!!」
その瞬間、全身に鳥肌が立ちました。
この感覚は何? 嫌悪……? それとも恐怖……? どちらにせよニコルにとってあまり良い感情ではないことは確かでした。
そんな時です。
「何してるの? サイラス」
早足でやってきたドルードが彼に冷たい声を投げかけました。