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淫魔の宿へようこそ
第4章 悪魔のお客様達
「え?」
「少し抱きしめるだけ」
そう言ってドルードはニコルの背中と腰に腕を回してきました。
ドルードはこの間もこんな風にニコルを抱きしめてくれたことを思いだしました。
まだここに来て間もなかったこともあり、久しぶりの人の温もりにほっとしたのを覚えています。
彼の指がニコルの髪を梳いていました。
触れるか触れないかの彼の頬との距離が、安心でもありもどかしくもある複雑な気分でした。
「あ、あの…私」
「ん?」
「私、なんだかさっきから、色んな人にドキドキして…おかしいんです」
もちろんそれは今もで、そんな自分の真っ赤な顔を誤魔化そうとニコルが口に出したのでした。
「だろうね。 仕方ないんだよ、元々インキュバスってのは人間の女性を惑わすものだから」
ドルードとニコルの背丈は同じぐらいで、お互いの胸がぴったりと密着しています。
当たり前ですが彼は自分と違って硬い胸をしていました。
「逆も然りだけどね。 君の鼓動を衣服越しに感じる……けど、僕のも聞こえる?」
「い…っ、いいえ…」