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淫魔の宿へようこそ
第5章 情動の意味


***

ドルードの部屋の前に立ったニコルは二度軽いノックをしました。

「ドルードさん」

「入っておいで」

そう言われたのでニコルはドアを開けます。

「失礼します」

中に入ると……大きなベッドの上でバスローブ姿のドルードがシーツの隙間から顔を出していました。
まるで子供がお化けごっこでもしているみたいに………?

「ほら、早く入りなよ」

(ど、どこへ?)

内心焦りつつも、ニコルは平静を装いました。

「でも……こんな時間ですし、それに明日は早朝から仕事がありますから……」

「だから何?」

ドルードがベッドの上から身を乗り出すようにして近寄ってきたため、二人の距離は更に縮まります。
手を伸ばした彼が次の瞬間に強引にニコルを引き寄せ、ニコルは引っ張られるようにベッドの上に倒れ込んでいました。

慌てて起き上がろうとするも、ドルードもベッドの中央上がりこんで彼女に覆いかぶさってきます。

横を向いているニコルの首元に彼の息がかかるのが分かりました。

「……ど、どういうつもりですか」

「まだ分からない? それともわざと言ってるのかな」

ニコルの顔の両横にドルードが肘をつきました。
すると必然的に顔が近づいてしまいます。




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