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第5章 情動の意味

（サイラスさんの時は……触られるだけで嫌だったのに……）

「大人しくしててね…僕は悪魔だけど、君を天国に連れて行ってあげるから」

唇を離した後、ドルードが再び顔を近づけてくる気配がしました。
抵抗する間もなく抱き寄せられてしまうともう逃げられません。

ドルードはその外見よりもずっと力が強いようで、間もなく首筋に唇が押し当てられました。

それから舌が這い上がってきてまた下り、鎖骨の辺りまで舐め回されます。

「……ぁんっ……」

そんなことをされて、思わず変な声が出てしまいました。
するとそれを聞いたからかは分かりませんが、彼の指先が胸の膨らみを捉えました。

最初はやわやわと揉まれていたのですが、やがて衣服の上から指先で先端をつついてきました。

「あ、そ……こは…いや…っ」

ニコルの小さな呟きは聞かない振りをされたみたいで、ブラウスの前をはだけさせられてしまいました。

「嫌じゃないよね。 僕はもう君のここを知ってるんだから……」

下着の隙間から直接手が差し込まれます。
ゾクッと背筋に悪寒と似たものが走る、けれどもそれはあの閃光のような感覚の予兆。

ドルードはニコルよりも自分の〈それ〉を知っているのです。

「ド、ドルード……さ」