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淫魔の宿へようこそ
第5章 情動の意味


ドルードの手が胸を揉みしだきながら、もう片方を直に手で撫で回します。
その中央を避けた彼の指先は乳房の丸みに沿って円を描いていました。

「また可愛い君を見せてくれる? こっちを向いて」

ドルードはそう囁き、横に身を捩ろうとするニコルにほんの少し体重を乗せました。

「んっ……」

真っ直ぐにニコルの顔を見つめ、彼の指先は楽器を爪弾くかのように緩やかな愛撫を繰り返します。

撫でる感触が弱くなり、消え入りそうになると全体を手のひらで包まれ、やがてそれが二本の指になるまで胸先を挟んでから離れます。

往路の終着に差し掛かるたびにニコルの敏感な突起が少しずつ少しずつ押し出されていきました。

「はっあ……あ…」

薄目を開けてささやかな吐息を奏でるニコルを、食い入るように見つめるドルードは余所見など許してくれそうにもありません。

「気持ちいい声は素直に出していいんだよ……君の体みたいにね」

そのくせ、いつものように静かな声で語り掛けてくる、彼には誤魔化しや羞恥さえも拒絶されそうでした。

「あっ…はあぁっ、あっ」

シーツの上できつく握っていたニコルの指先の力が抜けてきた頃、不意に彼の指先が、立ち上がった先端に触れました。

その瞬間、ニコルの心臓がどくりと跳ね上がった気がしました。



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