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淫魔の宿へようこそ
第6章 ニコル
「哲学的にいうとだな……貰うだけじゃなくて与えることも栄養になるだろ?」
「は…ええ、まあ?」
訳が分からない。 という表情をするニコルにサイラスがニッと笑い、出窓の出っ張りに両腕を組んで置きました。
「っていうのはタテマエでだな。 卵から生まれる俺らには、人間の生命エネルギーみたいなもんが足りねんだよ。 だから人の女が美味そうに見えて仕方ねえし、オナニーしててもずっと寝不足が続くようなもんだ。 こりゃ本能としかいえねえな」
サラッと淫語を口にしてもいやらしさを感じません。
それは彼の特性なのか性格なのか。 ニコルは何度か咀嚼を繰り返すように頷きました。
「そうなんですね……!」
「俺らにガキが出来るワケでもねえけどよ。 だからホラ、あそこで睨んでるインキュバスみたいなのは、言うなれば変態だ」
彼が顎で指した方向には不機嫌そうにこちらを見ているドルードがいます。
(へ、変態……?)
「俺やセシリア……あ、同じ卵から生まれた妹だったんだけどさ。 それよっか確かに位は高かったんだけど、なんであの歳になってまで、エビルとか使役できる魔力あんのかホント謎。 ま、そのかし腹減ったら人以下に」
「サイラス。 ニコルの邪魔はするなっていつも言ってるだろ」