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淫魔の宿へようこそ
第7章 背徳を覆う淫魔の愉悦


その後でさり気なく手を包んでくる彼に思わず尋ねてしまいます。

「……私なんかでも……いいんですか……?」

すると取ったニコルの手の甲にドルードがキスをしました。

立ち上がった彼がテーブルを回り、ニコルが座っていた長椅子の背に手をついた拍子に、ギシッと音を立て軋みます。

「……君がいい。 他の誰でもない君が」

そう言って再び

「ん……」

彼が唇を唾み舌先を差し入れました。


口を僅かに離したままで、浅く深くと絡み合う舌の感触はとても淫靡で、まるでお互いの唾液を交換しているかのようでした。

「ん……ぅ、ふ……」

鼻にかかったような吐息が漏れてしまい、ニコルが気恥ずかしさで顔を背けようとしますがドルードに顎を掴まれてさらに深く口付けられていくばかりです。

ようやく顔を離した時にはもう息が上がっていて、ニコルは肩で息をしなければなりませんでした。

「は…はぁ……」

乱れた呼吸を整えながら見上げると、ドルードがニコルを見下ろす翡翠の瞳がありました。
その瞳には恍惚とした表情の自分の顔、それから彼自身の、微かな猛々しい色が見え隠れしています。

(あ………)

それを目にしてしまった途端、ニコルは自分の体の奥が熱くなるのを感じました。


「レストランでの続きをしようか? そのまま後ろを向いて…手をついて」




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