この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
千一夜
第14章 第三夜 春の雪 ④

「あの、沖野さん」
「何?」
「お願いがあるんですが」
草加は床に頭をつけて頼んだ。
「何?」
「沖野さんのおっぱい見せてもらえませんか、頼みます!」
草加は床に頭を擦り付けた沖野にそう頼んだ。
「……」
無言。
「お願いです!」
「……」
まだ無言。草加は沖野の様子を探ることができない。草加に見えるのは床だけ。
「沖野さんのおっぱい見せてください!」
「見たいの?」
「見たいです!見たいんです、沖野さんのおっぱい!」
草加は叫んだ。
「でもさすがにそれはちょっと無理かな」
「頼みます!」
「でも」
「お願いです!」
草加は執拗に食い下がった。
「それじゃあ条件があります」
「何でも言ってください!」
草加が失うものなど何もない。まさか死ねとは言われないはずだ。
「交換条件なんですけどいいですか?」
「交換? 構いません。何でも交換します」
ただ子供のころから集めている野球カードだけは勘弁してほしい。阪神タイガース永久欠番10は誰にも渡せない。草加はそんなことを思った。
「それじゃあ言いますね」
「どうぞ」
「草加さんのおちんちん見せてください」
「おちんちん?」
「はい、草加さんのおちんちん」
「見たいんですか? 俺のちんぽなんて」
「見たいです」
沖野が真顔で言った。
「大したことないですよ」
「小さいという意味ですか?」
「そういうことじゃなくて……」
「小さいんですか?」
大きさにこだわる沖野。草加にはそんな沖野が不思議だった。
「あの、沖野さん、過去にそう言う……なんと申しましょうか……ちんぽの大きさのことで何かあったんですか?」
「小さいんですか?」
「普通だと思います」
「小さいんですか?」
逃げられない。沖野が求める答えは黒か白かだ。草加は観念した。
「大きいです!」
草加は見栄を張った。草加は自分のものを誰かと比べたことがない。
「じゃあ見せてください。草加さんが嘘つきかそうでないかすぐわかります」
「質問があります」
「どうぞ」
「沖野さんは、ちんぽの大きさを判断する基準のようなものがあるのでしょうか? つまり過去にたくさんのちんぽを見てきたとか」
「その質問に答えることを控えます」
「控えなくていいです」
「控えます」
「わかりました」
草加が沖野に逆らうことはできない。
「何?」
「お願いがあるんですが」
草加は床に頭をつけて頼んだ。
「何?」
「沖野さんのおっぱい見せてもらえませんか、頼みます!」
草加は床に頭を擦り付けた沖野にそう頼んだ。
「……」
無言。
「お願いです!」
「……」
まだ無言。草加は沖野の様子を探ることができない。草加に見えるのは床だけ。
「沖野さんのおっぱい見せてください!」
「見たいの?」
「見たいです!見たいんです、沖野さんのおっぱい!」
草加は叫んだ。
「でもさすがにそれはちょっと無理かな」
「頼みます!」
「でも」
「お願いです!」
草加は執拗に食い下がった。
「それじゃあ条件があります」
「何でも言ってください!」
草加が失うものなど何もない。まさか死ねとは言われないはずだ。
「交換条件なんですけどいいですか?」
「交換? 構いません。何でも交換します」
ただ子供のころから集めている野球カードだけは勘弁してほしい。阪神タイガース永久欠番10は誰にも渡せない。草加はそんなことを思った。
「それじゃあ言いますね」
「どうぞ」
「草加さんのおちんちん見せてください」
「おちんちん?」
「はい、草加さんのおちんちん」
「見たいんですか? 俺のちんぽなんて」
「見たいです」
沖野が真顔で言った。
「大したことないですよ」
「小さいという意味ですか?」
「そういうことじゃなくて……」
「小さいんですか?」
大きさにこだわる沖野。草加にはそんな沖野が不思議だった。
「あの、沖野さん、過去にそう言う……なんと申しましょうか……ちんぽの大きさのことで何かあったんですか?」
「小さいんですか?」
「普通だと思います」
「小さいんですか?」
逃げられない。沖野が求める答えは黒か白かだ。草加は観念した。
「大きいです!」
草加は見栄を張った。草加は自分のものを誰かと比べたことがない。
「じゃあ見せてください。草加さんが嘘つきかそうでないかすぐわかります」
「質問があります」
「どうぞ」
「沖野さんは、ちんぽの大きさを判断する基準のようなものがあるのでしょうか? つまり過去にたくさんのちんぽを見てきたとか」
「その質問に答えることを控えます」
「控えなくていいです」
「控えます」
「わかりました」
草加が沖野に逆らうことはできない。

