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千一夜
第15章 第三夜 春の雪 ⑤
 草加は不思議だった。あれこれと不安ばかりだったのだが、試合会場について野球部員一人一人の顔を見ると、自然と部員の名前が出てきた。試合前のミーティングでも監督として一人前の指示をした。
 試合が始まると。草加は妻のことを忘れて試合に没頭することができた。送りバントやエンドランのサインも当たり前のようにできたし、相手投手の癖がわかると、バッターボックスに向かう選手に適格なアドバイスもした。
 試合は三対二の逆転勝利。○○中学野球部初の県大会への出場が決まった。大喜びしたのは部員ではなく草加だった。まぁ大喜びではなく大泣きと言った方がいいかもしれない。草加は部員たちの輪の中心で人目をはばかることなく涙を流した。それを見ていた部員の保護者達も泣いた。
 草加と妻、そして草加の子供良太は家に帰った。夕食前に草加は良太と一緒にお風呂に入った。湯舟に浸かり草加は良太に「阪神タイガースの永久欠番の選手は?」とクイズを出した。10、11、23と良太は選手の名前とポジションをはっきり答えた。
 お風呂を上がる前に草加と良太は二人で六甲おろしを歌った(もちろん三番まで)。確かにタイガース魂の血は受け継がれている。草加はそれだけで大満足だった。
 夕食を三人で食べている。夢のようだ。草加は自分が結婚できるなんて夢にも思っていなかった。とにかくもてない。付き合っても長続きしない。結婚間近になると誰かが大切な人をさらっていく。きっとこういう人生が続いていくのだろうと草加は思っていた。
 ところが今目の前にいるのは金髪ショートカットのめちゃめちゃ可愛い妻だ。そしてその妻との間に子供も授かった。
 夕食を食べ終える。草加が後かたずけを妻と二人でしていると、良太がリビングのソファで寝てしまった。草加が寝ている良太を抱きかかえ、部屋に連れて行ってベッドで休ませた。
 草加の妻は風呂に向かった。草加は寝室で妻を待つことにした。草加には妻から訊きたいことが山ほどあるし、妻に話したいことも同じいくらいにある。それに……。
 草加は風呂に入ってる妻を想像する。たわわな胸、そして大きなお尻。山小屋で会った沖野と同じく、妻はむっちりとしたダイナマイトボディだ。草加がペニスに手を伸ばすともう硬くなっていた。
 しかし草加には妻と交わった記憶が全くない。妻と交わらない限り子供はできない……はずだ。
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