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千一夜
第16章 第三夜 春の雪 ⑥
「真利亜、真利亜」
 静寂の中で誰かの声が聞こえる。
「……」
「真利亜、ちょっと起きなさい」
 草加と真利亜が休んでいるベッドに声の主が近づいてそう言った。
「……」
 草加も真利亜も眠りから目が覚めない。
「真利亜」
 声の主は布団を被って寝ている草加真利亜の肩を揺さぶった。
「……」
 草加真利亜は瞼をこすり何とか目を開けるとその目を声の主の方に向けた。
「えっ? パパ? 何でパパがここにいるの?」
「お前が心配だからここに来たんだ」
「ずっと見てたの?」
「えっ? あっ、いや……見てないと思うけど」
「パパのエッチ」
 真利亜はそう言うと布団を上げ胸元を隠した。
「エッチなのはこのクソ野郎だろ!」
 声の主(どうやら草加真利亜の父)は叫んだ。
「大きな声出さないでよ。隼太が起きたらどうするの?」
「起きないよ、このクソ馬鹿は。バーカ、バーカ。ペッペッ」
 真利亜の父は草加に唾を掛ける真似をした。
「パパ、子供みたいなマネしないでよ」
「真利亜、こんなクソ馬鹿なんか捨てて私たちの星に帰ろう。私と一緒に良太を連れて帰ろう」
「いやよ。私はこの星に住むと決めたの。だから隼太と結婚したのよ。そして良太も生まれたわ」
「おっぱいが大好きなこの馬鹿には未来はない。私はお前が心配なんだ」
「やっぱりパパ私たちのエッチ見てたんでしょ」
「見てたんじゃない。見えたんだ」
「それ日本だとスケベ爺って言われる行為ですけど」
「スケベ爺?」
「そう、スケベ爺」
「もうスケベ爺でも何でもいい、今すぐ私たちの星に帰ろう」
「お断りです」
「どうしてお前は新車の宇宙船で地球になんかドライブに出かけたんだ。宇宙船にトラブルが発生して地球に不時着したせいで私たちの星じゃ大変な騒ぎになっているんだぞ。それなのにこんなクソ馬鹿と結婚なんかして、パパは恥ずかしくて街も歩けなくなったんだ」
「そんなこと私には関係ないわ」
「関係あるぞ。宇宙船の不時着なんて地球の奴らに知られたら大変だ。だからパパはお前を追いかけてあの山に大雪を降らせたんだ。そしたらこのクソ馬鹿が山を歩いてやがった。こんな奴死んだっていいのに、お前はあのとき宇宙船を山小屋に変えたんだよな。そしてこのクソ馬鹿野郎を助けた。どうしてこんなクソ馬鹿野郎を助けたんだ」
「隼太は私の妖精なの」

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