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千一夜
第17章 第四夜 線状降水帯 ①

女は伊藤にこう答えたのだ。
「いいんですか。そうしてもらえると助かります」
予想外の答えに伊藤は内心驚いた。今更それは冗談でしたとは言えない。いや、そんなこと言うつもりはないし、それどころか伊藤の中の男の本性がくすぐられた。こんなにいい女を家まで送ることができる。その途中何が起こるかわからない。
もちろん自分はいつでもどこでも紳士でいる。ただ、女から誘われればジェントルマンでいる必要なんてないのだ。そのときは狼になればいい。そう伊藤は思った。
「雨宿りをさせてもらってありがとうございました。本当に助かりました」
伊藤はそう言って星野に頭を下げた。
「どうぞお気を付けて」
星野は優しい笑顔を伊藤と女に向けてそう言った。
伊藤と女はコンビニを出て伊藤の車に乗り込んだ。
「家まで道案内よろしくお願いします」
伊藤はそう言った。
「わかりました。送っていただきありがとうございます」
助手席に乗った女は伊藤にそう言って頭を下げた。
女は伊藤に「ここからなら五分くらいで家に着く」と言った。ところがコンビニを出て五分経っても女の家に着く気配がない。
伊藤はすでに五分という時間が頭の中から消えていた。女との会話は楽しくて時間のことなんてどうでもいいと思った。
おまけに助手席からは雨の匂いと女の香水の匂い、そして女の肌の匂いが伊藤を襲った。五分どころか五時間この女と車に乗っていたい。ときおり伊藤が目を助手席にやると女の豊満な乳房が目に入った。伊藤は何度も女の乳房を見た。この乳房に顔を埋めて女のおっぱいを思う存分愉しみたい。伊藤の男根が硬くなり始めた。
同時に伊藤の中に先ほどまであった警戒心が消えていった。そしてこの状況の不思議さを伊藤は当たり前のように受け止めている。
こういうことがあるのも人生だ。伊藤はもう時計を見ない。伊藤にとって時間は無意味なものになったのだ。
そして、親に顔を見せに行くという旅の目的がだんだんと希薄になり、今ではその目的を伊藤は思い出せなくなっていた。
確かに雨は弱まった。マセラティもいつものスピードで線状降水帯が去った道路を走っている。伊藤は女が指示するように車を走らせているが、伊藤の記憶の中にはこの道は存在しない。
「いいんですか。そうしてもらえると助かります」
予想外の答えに伊藤は内心驚いた。今更それは冗談でしたとは言えない。いや、そんなこと言うつもりはないし、それどころか伊藤の中の男の本性がくすぐられた。こんなにいい女を家まで送ることができる。その途中何が起こるかわからない。
もちろん自分はいつでもどこでも紳士でいる。ただ、女から誘われればジェントルマンでいる必要なんてないのだ。そのときは狼になればいい。そう伊藤は思った。
「雨宿りをさせてもらってありがとうございました。本当に助かりました」
伊藤はそう言って星野に頭を下げた。
「どうぞお気を付けて」
星野は優しい笑顔を伊藤と女に向けてそう言った。
伊藤と女はコンビニを出て伊藤の車に乗り込んだ。
「家まで道案内よろしくお願いします」
伊藤はそう言った。
「わかりました。送っていただきありがとうございます」
助手席に乗った女は伊藤にそう言って頭を下げた。
女は伊藤に「ここからなら五分くらいで家に着く」と言った。ところがコンビニを出て五分経っても女の家に着く気配がない。
伊藤はすでに五分という時間が頭の中から消えていた。女との会話は楽しくて時間のことなんてどうでもいいと思った。
おまけに助手席からは雨の匂いと女の香水の匂い、そして女の肌の匂いが伊藤を襲った。五分どころか五時間この女と車に乗っていたい。ときおり伊藤が目を助手席にやると女の豊満な乳房が目に入った。伊藤は何度も女の乳房を見た。この乳房に顔を埋めて女のおっぱいを思う存分愉しみたい。伊藤の男根が硬くなり始めた。
同時に伊藤の中に先ほどまであった警戒心が消えていった。そしてこの状況の不思議さを伊藤は当たり前のように受け止めている。
こういうことがあるのも人生だ。伊藤はもう時計を見ない。伊藤にとって時間は無意味なものになったのだ。
そして、親に顔を見せに行くという旅の目的がだんだんと希薄になり、今ではその目的を伊藤は思い出せなくなっていた。
確かに雨は弱まった。マセラティもいつものスピードで線状降水帯が去った道路を走っている。伊藤は女が指示するように車を走らせているが、伊藤の記憶の中にはこの道は存在しない。

