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千一夜
第17章 第四夜 線状降水帯 ①
 ソファに身を任せ、伊藤が目を瞑りサティを聴いていると、二階から誰かが下りてくる気配がした。きっと碧の亭主だ。気は重かったが、目を瞑ったままこの別荘の主を迎えるわけにはいかない。伊藤は目を開けて階段の方を見た。
 下りてきたのは碧だけで碧の亭主の姿はなかった。
「すみません。主人はまだ熱が下がらいようで、ベッドからまだ出ることができません。伊藤さんにご挨拶することができませんが、主人はくれぐれも伊藤さんによろしくと申しておりました。ご挨拶できないことをどうぞお許しください」
「そんなこと気になさらないでください。具合が悪いときは無理をしない方がいいんです。僕なんかに挨拶は必要ありませんから、どうぞゆっくりおやすみください」
「そう言っていただいてありがとうございます」
「それよりお医者様に行かなくてよろしいのですか? 何だったら僕が病院にご主人を連れて行きますよ」
「ありがとうございます。でも主人は寝ていれば治ると言ってました」
「そうですか」
 伊藤は内心ほっとしていた。こんないい女をものにした男と話すなんて少々憂鬱になる。
 それより碧の姿に伊藤の男根が刺激された。
 碧はグレー(おそらく)の半袖のサマーセーターとミドル丈のタイトスカート(これはおそらく青だ)を穿いている。まるで伊藤に体のラインを見せつけるような服装だ。
 神が碧に与えたビーナスライン。伊藤の男の心がくすぐられる。
 碧の主人がここにいないので、伊藤は遠慮なく獣の本性丸出しの目で碧の体を上から下まで舐めまわした。
 照明が暗いせいもあって伊藤は何度も何度も碧の体を見た。碧が自分の視線に気づくはずなどない。いや仮に碧が気付いていたとしても。それはそれで何かのご褒美にありつける大切なサインなのかもしれない(獣はそのサインを見落としてはいけない)。
 もっともドラマのような展開なんてあるはずがないと伊藤は思っている。だからこそ伊藤は碧の体を見ていろいろ想像するのだ。
「今お茶の用意をします」
「お茶を一杯頂きましたら失礼しますので」
「そんなこと言わずにどうぞゆっくりしていってください」
「ありがとうございます」
 ゆっくりしていけと言われて、はいそうしますというばかはいない。碧と別れるのは残念だが、こればかりは仕方がない。
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