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千一夜
第19章 第四夜 線状降水帯 ③
 アルコール消毒の匂いがどんどん強くなっていった。それに比例して伊藤の腰の動きもまた一段とスピードを増していった。強く突く。そして一番奥に種を出す。「出すぞ」伊藤はそう言った。だが、碧は何も答えない。伊藤と碧の不思議な交わり。
 そしてとうとう伊藤の肉棒の先から伊藤の精液が碧の膣中に放たれた。精液たちは勢いよく碧の子宮を目指して飛んでそして跳ねた。
 放出後、伊藤は碧の背中にしがみついていた。犬ならば出せば知らんふりしてどこかに逃げていくのだろうが、伊藤はナース服を着た碧の体に自分のからだをぴたりとつけていた。
 この女とこれで別れるなんて自分にはできない。何としてもこの女を自分の女にしたい。伊藤は碧の体に自分の体を被せてそんなことを思っていた。
 甘い言葉を掛けたい。だが言葉を掛けても碧はそれに答えてくれない。夢の中では碧の声を聞くことができない。
 伊藤と碧はバックスタイルのまま、まだ一つに繋がっていた。伊藤がナース服の上から碧の乳房を揉んだ。服の上からでも碧の乳房はふっくらとしていて、それでいて弾力があった。碧の膣中に収まっていた伊藤の肉棒がまた硬くなり始めた。硬くなればまた碧のま×こを突く。そして出したくなったら遠慮なく碧の中に子種をまき散らす。
 伊藤は碧の乳房を揉みながらまた腰を動かし始めた。 
 肉棒を押し込むようにして突いたり、ぐるぐる肉棒を回しながら伊藤は碧のま×こを愉しんだ。できれば「気持ちいい」「いく」なんて言葉が聞きたかったが、贅沢は言わない。碧と交尾できただけで自分は幸せ者なのだ。伊藤はそう思った。
 ところが……「痛い!」声を出したのは伊藤だった。碧の膣口がぎゅっと締まったのだ。伊藤の肉棒は、碧のま×この入り口で締め付けられた。と同時に伊藤の肉棒は、碧の膣中に生息する何千もの生き物の手でぐにゅぐにゅ弄られているような感覚に襲われた。気持ちがいい……が肉棒の根元は食い千切られそうなのだ。
 ミミズ千匹の女の経験はある。しかしその女たちは伊藤には痛みを与えなかった。伊藤はこう考えることにした。自分はラッキーな男だと。自分は今快感と痛みを同時に味わっている。これだけ幸運な男は自分以外にいない。やはり自分は誰よりも恵まれている。伊藤はにんまりと笑った。笑っても碧には気付かれない。
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