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千一夜
第20章 第四夜 線状降水帯 ④

伊藤は燈を車に乗せて熱海に向かった。途中、昼食を取りために小田原に寄った。部下から聞いていたラーメンの名店で伊藤と燈はラーメンを食べた。男に浮気されても、燈の食欲だけは旺盛だった。そんな燈をみて伊藤は思わず笑ってしまった。笑った伊藤を燈はラーメンをすすりながら不思議そうな目で見た。伊藤の笑いは大きくなった。昨日のゆかりと同じだな、伊藤はそう思った。
食事を終えて伊藤と燈は駐車場に止めていた車に乗り込んだ。
「ちょっと恥ずかしい」
「何が?」
燈が何のことを言っているのか伊藤にはわからなかった。
「みんなじろじろ見るんで」
「じろじろ……」
「こんなに見られることなんてないから」
ようやく燈が何のことについて言っているのかわかった。
「彼らが見ているのは車だけだよ。僕と燈は付けたしに過ぎない。悲しいけどね」
「先生慣れましたか?」
「諦めたよ。主役はアストンマーティンだからな」
「先生、訊いてもいいですか?」
「何?」
「この車、月々のローンいくらですか?」
「ははは」
伊藤は車の中で大笑いした。
「すみません」
「いやいんだ。燈、多分、いや間違いなくこの車を買う人間はローンなんて組まないと思うよ」
「えっ! じゃあ全額キャッシュ?」
「おそらく」
小田原から熱海まで三十分くらいだろうか。車は熱海ビーチラインを走る。アストンマーティンは伊藤の意志を何一つ間違うことなく受け取り、完璧なパフォーマンスを披露した。
伊藤が葉山を出る前に予約を入れた熱海の宿は、全室が十室で、そのすべての部屋から海を臨むことができる露天風呂が付いている。温泉に浸かりたい、そして湯に浸かりながら燈と交わりたい。伊藤はそんなことを考えながらハンドルを操作していた。
ハンドルから手が離せない伊藤に燈が悪戯を始めた。燈は手を伸ばしてズボンの上から伊藤のペニスを触った。
「ふふふ」
「どうなってる?」
「先生のおちんちんもう硬くなってます」
「燈の裸を想像していたんだ」
「先生のエッチ」
「燈は僕よりエッチだろ」
「ふふふ、わかりません」
燈の手がトランクスの中に潜り込んでこないかと伊藤は願ったが、アストンマーティンのコックピットがそれをさせなかった。
ペニスを触っていた燈の手は、ときおり伊藤の乳首にも這って行った。もちろんシャツの上からだが。
燈はずっと伊藤の体を弄った。
食事を終えて伊藤と燈は駐車場に止めていた車に乗り込んだ。
「ちょっと恥ずかしい」
「何が?」
燈が何のことを言っているのか伊藤にはわからなかった。
「みんなじろじろ見るんで」
「じろじろ……」
「こんなに見られることなんてないから」
ようやく燈が何のことについて言っているのかわかった。
「彼らが見ているのは車だけだよ。僕と燈は付けたしに過ぎない。悲しいけどね」
「先生慣れましたか?」
「諦めたよ。主役はアストンマーティンだからな」
「先生、訊いてもいいですか?」
「何?」
「この車、月々のローンいくらですか?」
「ははは」
伊藤は車の中で大笑いした。
「すみません」
「いやいんだ。燈、多分、いや間違いなくこの車を買う人間はローンなんて組まないと思うよ」
「えっ! じゃあ全額キャッシュ?」
「おそらく」
小田原から熱海まで三十分くらいだろうか。車は熱海ビーチラインを走る。アストンマーティンは伊藤の意志を何一つ間違うことなく受け取り、完璧なパフォーマンスを披露した。
伊藤が葉山を出る前に予約を入れた熱海の宿は、全室が十室で、そのすべての部屋から海を臨むことができる露天風呂が付いている。温泉に浸かりたい、そして湯に浸かりながら燈と交わりたい。伊藤はそんなことを考えながらハンドルを操作していた。
ハンドルから手が離せない伊藤に燈が悪戯を始めた。燈は手を伸ばしてズボンの上から伊藤のペニスを触った。
「ふふふ」
「どうなってる?」
「先生のおちんちんもう硬くなってます」
「燈の裸を想像していたんだ」
「先生のエッチ」
「燈は僕よりエッチだろ」
「ふふふ、わかりません」
燈の手がトランクスの中に潜り込んでこないかと伊藤は願ったが、アストンマーティンのコックピットがそれをさせなかった。
ペニスを触っていた燈の手は、ときおり伊藤の乳首にも這って行った。もちろんシャツの上からだが。
燈はずっと伊藤の体を弄った。

