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千一夜
第21章 第四夜 線状降水帯 ⑤

伊藤は燈を抱えた。浴衣も乱れて燈の小さな胸はさらけ出されている。伊藤は燈をお姫様抱っこしてベッドまで向かう。
中指に付いている燈のま×こ汁を伊藤が嗅ごうとすると、「ダメ」と言って燈が伊藤の手をはらった。今度は中指を燈の鼻先に持っていこうとすると「それ違うから」と燈は言って、同じように伊藤の手をはらった。
伊藤が燈をベッドに仰向けにした。燈の浴衣を脱がす。水泳で鍛えた燈の体を伊藤はしばらく眺めていた。燈は顔を少しだけ横に向けて目を瞑っている。伊藤は約束した。ベッドでは燈のま×こを舐めると。燈はそれを待っている。
伊藤が燈の脚を広げたときだった。伊藤のスマホが着信音を鳴らしたのだ。「ちっ」伊藤は燈に聞こえないように舌打ちした。こんなことなら電源を切っておけばよかった。伊藤はソファセットのテーブルにあるスマホを取った。電源を切ろうとしたが、発信者を確認してそれはやめた。でなければならない相手だった。
「はい」
「伊藤」
伊藤を今呼び捨てにできる人間は一人。
「何?」
「まさかとは思うけど、今伊藤のベッドの上に燈はいないわよね?」
「……」
伊藤は答えられなかった。
「クズ」
「……」
クズと言われても伊藤は言い返さない。
「燈に代わって」
「燈、香苗だ」
「……」
燈は驚いた表情で伊藤を見た。そして伊藤からスマホを受け取る。
どんな話をしているのか伊藤にはわからないし、興味もない。ただ、ずっと燈は香苗に対して「すみません」を連発していた。そして最後に「わかりました」と言ってスマホを伊藤に返した。まだ電話切れていない。
「私のアシスタントに手をつけるなんて、伊藤、上等じゃん」
「自由恋愛だ」
「クズが偉そうに何言ってんのよ。女はお前が一年ごとに乗り換える車とは違うんだから」
「もちろん」
「何がもちろんよ、このクズが。伊藤、お前いつか女に殺されるよ」
「好きな女に殺されるなんて悪くないな。そうだ次のドラマでそのアイデア使わせてもらうわ」
「伊藤、明後日定時に燈が私の事務所に来なかったら、お前も燈も許さないから」
「わかった」
「伊藤、いいドラマや映画作りなさいよ。伊藤の作るドラマや映画は全部九十九点。百点でもなければ九十八点でもないの。何かがどうしても一つ足りない。伊藤、そのことわかってるでしょ」
「……」
わかってるから伊藤は何も言えなかった。
中指に付いている燈のま×こ汁を伊藤が嗅ごうとすると、「ダメ」と言って燈が伊藤の手をはらった。今度は中指を燈の鼻先に持っていこうとすると「それ違うから」と燈は言って、同じように伊藤の手をはらった。
伊藤が燈をベッドに仰向けにした。燈の浴衣を脱がす。水泳で鍛えた燈の体を伊藤はしばらく眺めていた。燈は顔を少しだけ横に向けて目を瞑っている。伊藤は約束した。ベッドでは燈のま×こを舐めると。燈はそれを待っている。
伊藤が燈の脚を広げたときだった。伊藤のスマホが着信音を鳴らしたのだ。「ちっ」伊藤は燈に聞こえないように舌打ちした。こんなことなら電源を切っておけばよかった。伊藤はソファセットのテーブルにあるスマホを取った。電源を切ろうとしたが、発信者を確認してそれはやめた。でなければならない相手だった。
「はい」
「伊藤」
伊藤を今呼び捨てにできる人間は一人。
「何?」
「まさかとは思うけど、今伊藤のベッドの上に燈はいないわよね?」
「……」
伊藤は答えられなかった。
「クズ」
「……」
クズと言われても伊藤は言い返さない。
「燈に代わって」
「燈、香苗だ」
「……」
燈は驚いた表情で伊藤を見た。そして伊藤からスマホを受け取る。
どんな話をしているのか伊藤にはわからないし、興味もない。ただ、ずっと燈は香苗に対して「すみません」を連発していた。そして最後に「わかりました」と言ってスマホを伊藤に返した。まだ電話切れていない。
「私のアシスタントに手をつけるなんて、伊藤、上等じゃん」
「自由恋愛だ」
「クズが偉そうに何言ってんのよ。女はお前が一年ごとに乗り換える車とは違うんだから」
「もちろん」
「何がもちろんよ、このクズが。伊藤、お前いつか女に殺されるよ」
「好きな女に殺されるなんて悪くないな。そうだ次のドラマでそのアイデア使わせてもらうわ」
「伊藤、明後日定時に燈が私の事務所に来なかったら、お前も燈も許さないから」
「わかった」
「伊藤、いいドラマや映画作りなさいよ。伊藤の作るドラマや映画は全部九十九点。百点でもなければ九十八点でもないの。何かがどうしても一つ足りない。伊藤、そのことわかってるでしょ」
「……」
わかってるから伊藤は何も言えなかった。

