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千一夜
第22章 第四夜 線状降水帯 ⑥
 松原の言う提案に伊藤は興味などなかったが、葉山の電話から待たせておいて断るのも気が引けた。
「松原さん、実は今食事中なんだ。その提案は一時間後に聞くことはできないだろうか?」
「構いません。社長、お食事中に申し訳ございませんでした」
「いや、それでは一時間後」
「承知いたしました」
 五分ほどして関根が戻って来た。
「伊藤先生、失礼しました」
「構わないよ。かえって気を遣わせて申し訳ない」
「とんでもありません。伊藤先生、是非次の作品もうちの出版社から出していただきたいのです」
「もちろんだ。次回作が書けるなら君の出版社からと考えていたよ」
「伊藤先生、ありがとうございます」
 関根は伊藤に対して深く頭を下げた。
「それで次回作のプロットはもう出来上がっているんだ」
「本当ですか!」
 関根は驚いた。忙しい伊藤がもう次の作品のストーリーを考えていたのだ。
「一週間後、プロットに目を通してほしい。君が読んでダメならやめるがね」
「ダメなんてことはないです。是非読まさせてください、お願いします」
 三十分後、伊藤と関根は居酒屋を出た。伊藤はタクシーに乗り家に帰った。車内で伊藤のスマホが鳴った。
「社長度々すみません。今よろしいでしょうか?」
「待たせて悪かった。構わないよ」
「高倉希、今日社長にお預けします」
「預けるってどういう意味?」
「そのままの意味です。もし社長が気に入らなければ、高倉を社長のお部屋からすぐに返してくださって構いません」
「気に入れば?」
「そうなってくれることを私は望んでおります。気に入っていただければ一月、いや二月高倉と契約してほしいのです。契約の期間は社長がお決めになって構いません。どうでしょうか?」
「松原さん、少しずるい条件ですね。僕が今日その子に会って、やっぱり気に入らなかったなんてこと言えないでしょ」
「いえいえ遠慮なくおっしゃっていただいて構いません。ダメならダメとはっきり高倉に言ってください。高倉にはその旨しっかり伝えております」
「わかりました」
 伊藤は渋々了解した。
「高倉は社長のお住まいである港ヒルズレジデンスの近くのSコーヒーで待機しております。社長のお住いのセキュリティが厳しくて、高倉は一人で社長のお部屋に向かうことができません。申し訳ないのですが」
「わかったよ」
「どうぞよろしくお願いいたします」
「ああ」
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