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千一夜
第22章 第四夜 線状降水帯 ⑥
「もっと大きくしてくれ」
「だったらパパにいいもの見せてあげる」
「いいもの?」
「そう、いいもの」
 希は玄関にあるキャリーケースから一枚のDVDを持ってきた。希は伊藤の隣に座ると、それを伊藤の目の前でひらひらさせた。伊藤がそれを希から取り上げた。
「これ何だ?」
 伊藤はDVDの表紙を見てそう言った。
「エッチなDVDです。私が出演してます」
「本当か?」
 伊藤はもう一度DVDのジャケットを見た。確かに水着を着た希が写っている。ただ、それは今の希ではなくて数年前の希だった。中学生? 伊藤はそう思った。
「パパ見たい?」
「ああ」
「やっぱりパパはものすごくエッチ」
「否定はしないよ。だから早く見せてくれ」
「はい」
 いきなり画面に映った希に伊藤は驚いた。それは水着姿の希だった……が、それを水着と言っていいのかわからない。肩から陰部までV字型にピンク色の細い紐が、胸(正確には乳首と乳輪)と陰部だけを覆っていたのだ。希が後ろを向くと紐は尻の割れ目に食い込んでいて、希の尻は丸見えだった。いわゆるTバック。
「この撮影のとき、希はいくつだった?」
「中学二年生です」
「中学二年!」
 伊藤は大きな声を抑えることができなかった。
「ふふふ」
「ふふふじゃないだろ。ま×こと乳首は見えないが、希は全裸になってるじゃないか」
「ふふふ」
「なるほど、こういうのが好きな奴もいるということだな」
「そう」
「恥ずかしくないのか、希は真っ裸なんだぞ」
「もちろん最初は恥ずかしかったですよ。カメラマンとか現場には男の人だっていましたから。でもこういうの作る人たちってずるいんです」
「ずるい?」
「そう、ずるい。私たちをうまく煽てるんです。言葉とか態度だとか、私たち勘違いしちゃうんですよね。アイドルになれたって錯覚しちゃうんです」
「いつ目覚めたんだ?」
「二作目か三作目のときだったと思います。なんか違うな。私はアイドルじゃない。だっていつも露出の多い水着とかレオタードを着せられるんです。本当のアイドルだって水着は着ると思うけど、Tバックじゃないですよね」
「なるほど。でも未成年だから親の了承が必要だろ。自分の娘が裸になることを認める親なんていないはずだ」
「いるんです」
「金か?」
「多分」
 それぞれの家庭にはそれぞれの事情がある……のだろう。
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