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千一夜
第23章 第四夜 線状降水帯  ⑦
 伊藤に嬉しい知らせが入った。OH賞の候補に挙がっていた伊藤の作品が、OH賞を受賞したのだ。
 出版社主催の受賞記念パーティーから帰った伊藤は、いつもより饒舌でいつもより一杯だけ多くバーボンを飲んだ。
 いつもより饒舌でバーボンをこよなく愛する男は、ベッドに入っても普段より激しく何度も希の体を求めた。肉棒を挿入して射精、そして肉棒がまた硬さを取り戻せば希のま×こに挿入した。正常位で後背位でそれから騎乗位で希のま×こに肉棒を入れる。伊藤の肉棒は十代の頃のように勃起した。
 これだけ機嫌のいい伊藤を希は知らない。伊藤の喜びは希の喜びになっていった。伊藤も希も幸せだった。
 一週間後、伊藤は自分の会社に報道関係の記者らを呼んで会見を開いた。伊藤の会見は業界を驚かせた。
 伊藤は今度の映画製作を最後に制作現場から身を引いて経営に専念すると発表したのだ。そして来年、伊藤の会社は東京証券取引所に上場する。
 伊藤はそのためにすでに二つの大きな仕事を終えていた。一つは大手アニメ制作会社を買収したのだ。業績を伸ばすためには日本が世界に誇るアニメコンテンツを何が何でも手に入れなければならない。家庭の浴室や台所まで及ぶ作品の権利はどんなことがあって欲しい。
 そしてもう一つ。伊藤の会社はアメリカにある有名ヒップホップレーベルと提携した。アニメと音楽、この二つを手に入れることで伊藤の会社は更なる飛躍を遂げることができる。
 伊藤を含めて数人で始めた会社も、今では社員数が三百人を超えた。そして毎年行われる新卒採用試験には全国の大学から千人近い学生たちが集まる。
 伊藤が自分のやりたいことだけやればいい時代ではなくなくなったのだ。魅力ある会社にしなければ優秀な学生たちの目に留まらない。才能ある後継者に会社を残さなければならない。そのためには伊藤が知らないアニメにも音楽にも進んでいかなければいけない。
 上場して数年が経ち、会社が上場企業として多くの人たちから認知されたら、伊藤はすべての仕事から身を引くつもりでいる。
 引退後は思う存分車を愉しむ。アメリカでジャズを聴き、そのアメリカでバーボンを飲んで女を抱く。ロンドンにシェークスピアを見に行くのも悪くないだろう。
 あと一本だけ魂を込めて作品を作り上げる。それが終われば仕事に未練はない。伊藤はそう思っていたのだ。
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