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千一夜
第23章 第四夜 線状降水帯 ⑦

翌朝、伊藤はコンシェルジュからの電話で目を覚ました。伊藤の両親がやって来たのだ。伊藤の部屋に上がって来た伊藤の両親は、玄関で迎えた希を認めると伊藤の母親は希を抱きしめた。伊藤の父も伊藤の母も伊藤には目もくれない。
リビングで希が出したお茶を飲むと、伊藤の両親は希の家に向かった。希の両親に挨拶を終えて、伊藤の両親はまた伊藤の部屋に戻った。
伊藤の誤算はここからだった。レジデンスのホテルに一泊した伊藤の両親は帰郷せず、伊藤の家に居座り続けたのだ。伊藤の父は、伊藤に与えたオーディオセットでクラッシック聴くために週に何日か葉山に行くのだが、伊藤の母親はレジデンスの街から一歩も離れなかった。
「いい加減帰ってくれないか」と伊藤が母親に言っても、伊藤の母は他人を見るような目を伊藤に一つやると、その目は温かさを取り戻して希に向かって行った。
そうなると部屋の様子もどんどん変わる。伊藤と希の部屋は、伊藤家の部屋に変わっていった。生まれていない赤ちゃんのベッドが運び込まれてきたとき、伊藤は絶望した。
伊藤がどんなに早く帰っても、伊藤は玄関口で母親から「いつも遅いわね」と嫌味を言われる。母親の嫌味には耐性が付いていたはずだが、伊藤はそんな母親が玄関口にいる家には足が向かなかった。それに両親が来てから伊藤は希の体に触れていない。久しぶりに女が欲しかった。
伊藤は香苗に電話した後、ある女に連絡を取った。女の名前は本井ルナ。歳は二十一。童顔セミロングヘア―のルナの売りは、はち切れそうな巨乳、いや爆乳だ。
ルナは希に似ていた。二人とも幼顔だったが、希の顔の中には人を寄せ付けない冷たさが潜んでいた。逆にルナにはほんのりとした柔らかさが表情の奥にあった。
そして二人とも巨乳であったが、希の乳は生意気なロケット型の形をしていた。ルナの乳房はロケット型ではあるが、希よりほんの少しだけ乳首が下を向いていてどちらか言えばしずく型のおっぱいと言った方が正しいかもしれない。
伊藤は希と暮らしていても週に一度ルナと会っていた。伊藤とルナの逢瀬の場所はいつも新宿のホテル。東京の街が一望できる高層階で二人は愛し合った。
誰かが二人を見てもこう思うはずだ。どこかのエロ中年男が若い女をホテルに連れ込んでいる、と。映像の作り手に興味を持つ人間は多くない。
リビングで希が出したお茶を飲むと、伊藤の両親は希の家に向かった。希の両親に挨拶を終えて、伊藤の両親はまた伊藤の部屋に戻った。
伊藤の誤算はここからだった。レジデンスのホテルに一泊した伊藤の両親は帰郷せず、伊藤の家に居座り続けたのだ。伊藤の父は、伊藤に与えたオーディオセットでクラッシック聴くために週に何日か葉山に行くのだが、伊藤の母親はレジデンスの街から一歩も離れなかった。
「いい加減帰ってくれないか」と伊藤が母親に言っても、伊藤の母は他人を見るような目を伊藤に一つやると、その目は温かさを取り戻して希に向かって行った。
そうなると部屋の様子もどんどん変わる。伊藤と希の部屋は、伊藤家の部屋に変わっていった。生まれていない赤ちゃんのベッドが運び込まれてきたとき、伊藤は絶望した。
伊藤がどんなに早く帰っても、伊藤は玄関口で母親から「いつも遅いわね」と嫌味を言われる。母親の嫌味には耐性が付いていたはずだが、伊藤はそんな母親が玄関口にいる家には足が向かなかった。それに両親が来てから伊藤は希の体に触れていない。久しぶりに女が欲しかった。
伊藤は香苗に電話した後、ある女に連絡を取った。女の名前は本井ルナ。歳は二十一。童顔セミロングヘア―のルナの売りは、はち切れそうな巨乳、いや爆乳だ。
ルナは希に似ていた。二人とも幼顔だったが、希の顔の中には人を寄せ付けない冷たさが潜んでいた。逆にルナにはほんのりとした柔らかさが表情の奥にあった。
そして二人とも巨乳であったが、希の乳は生意気なロケット型の形をしていた。ルナの乳房はロケット型ではあるが、希よりほんの少しだけ乳首が下を向いていてどちらか言えばしずく型のおっぱいと言った方が正しいかもしれない。
伊藤は希と暮らしていても週に一度ルナと会っていた。伊藤とルナの逢瀬の場所はいつも新宿のホテル。東京の街が一望できる高層階で二人は愛し合った。
誰かが二人を見てもこう思うはずだ。どこかのエロ中年男が若い女をホテルに連れ込んでいる、と。映像の作り手に興味を持つ人間は多くない。

