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第26章 第四夜　線状降水帯 　➉

　負けを認めると男の転落は早い。ゆかりの手に握られた伊藤の肉棒は、この先に待ち構えている絶頂へ向けて一つ一つの段階を駈け上っていった。ゆかりの卑猥なサービスに耐えられなくなった伊藤の肉棒は、膨らみそして硬さが増していったのだ。
　肉棒が反応していることを小娘だと思っていたゆかりに伊藤は見られたくなかった。ガキに簡単にいかされるなんて、大人としては失格だ。伊藤は目を瞑る前に自分の乳首を舐めているゆかりをうかがった。ゆかりの目は伊藤を待っていた。ゆかりは伊藤の様子を探りながら伊藤の乳首を舐め肉棒をしごいていたのだ。
　肉棒の根元から亀頭まで、ゆかりの手は抜かりなく実に丁寧に動いた。ときおり快楽の落ちまいとする伊藤の喘ぎ声がゆかりの耳に届いた。ゆかりはそれを餌にして伊藤の乳首を舐め、肉棒を弄りまくった。
「パパのおちんちんカチカチなんですけど」
　ゆかりが伊藤の耳元でそう言った。
「……」
　伊藤はゆかりに答えることができない。確かに伊藤の肉棒はゆかりが言ったように鋼のように硬くなっていた。
　伊藤の乳首を舐めていたゆかりの口が、伊藤の腹の方へ下がっていった。伊藤はそれを迎え入れる準備をする。やがて自分の肉棒はゆかりの口に収められる。手ではなく今度はゆかりの口と舌で自分の肉棒はゆかりのサービスを受けることになる。伊藤はそれが待ち遠しかった。
　ただこの小悪魔がすんなり自分の肉棒を口に含むだろうか。伊藤はそれが気になった。案の定……。
「パパ、これどうしてほしいの？」
　ゆかりは伊藤の肉棒をしごきながら淫靡な目で伊藤を見た。
「……」
　伊藤は答えることができなかった。
「どうしてほしいのか言ってもらわないとこのまま終わりにするけど」
「……」
　もうやめろとは言えなかった。ここで終わることは伊藤にとって蛇の生殺しと同じだったのだ。
「どうする？」
「舐めてくれ」
「はぁ？」
「舐めてくれと言ってるんだ」
　威厳を込めて伊藤はそう言った。
「舐めてくださいでしょ」
「……」
「パパのおちんちん舐めるのってちょっと勇気がいるんだよね」
「……」
　伊藤にはゆかりが言う勇気の意味がわからない。
「パパ、どうすればいいの？　ちゃんと私にお願いして」
「舐めてください」　
　射精するために、伊藤はあっさりとプライドを捨てた。