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千一夜
第27章 第四夜 線状降水帯  ⑪
「実は」
「香苗にはもう話したのか?」
「ごめんなさい」
「香苗はサクラ出身だからな……、すぐやめたけど」
「伊藤君も香苗さんも会社は違ったけどテレビ局がスタートでしょ?」
「香苗は何も言わなかったが、やめた理由があったんだな。あいつには僕が想像できないくらいの才能があった。あいつの才能を潰したのはサクラだったのかもしれない」
「ここには伊藤君と私しかいないから言うけど、加齢臭と腐乱臭をまき散らしているおっさん達になんか会社を立て直すなんてことできないわ。逃げたスポンサーを戻すにはそれなりの刺激が必要なの」
「だからサクラを追い出された女の香苗に白羽の矢がたった」
「その通り」
「シナリオを書いているのはハゲタカか?」
「否定はしないわ」
「関ヶ原の戦いが始まるということか。うちは東軍なのか? それとも西軍なのか?」
「勝つ方よ」
「勝つ方か……、香苗がいなくなって高谷もいなくなる。そして橘も」
 伊藤はそう言うと裕子を抱き寄せた。
「何言ってのよ、伊藤君は男でしょ?」
「差別だ」
「ここには伊藤君と私だけ。こんなことを言ったら叱られるけど、このごたごた騒ぎ、私は大歓迎」
「わかるよ」
「この子のために私も伊藤君の会社から少しの間離れないといけないから」
 裕子は自分のお腹を優しく撫でてそう言った。
「はぁ」
「ため息なんかやめてよ。結婚してない副社長のお腹が大きくなっていくのよ。週刊誌のネタになったら大変でしょ? 今だったらうまくごまかせるわ。逃げ切ることだってできるかもしれない。世間て正直よ。私のお腹の子の父親を探すより、サクラ・メディアホールディングスの騒動の方が気になるんだから。超ラッキーよ」
「超ラッキーなんて東大出の才女の台詞じゃないな」
「ふん、伊藤君のバカ。私も普通の女よ」
「違うね、エロい普通の女だ」
 そう言って伊藤は裕子の乳房を揉んだ。
「女はみんなエロいわよ。……伊藤君、だから」
「だから僕が社長に戻るわけだ」
「そう。うちの会社はとても若い。いいえ、若過ぎるの。社長の器がある人間がまだいない、と言うか育っていないのよ。それは社員のせいなんかではなく伊藤君のせいよ」
「僕の? どうして?」
「伊藤君が大きすぎるのよ」
「ふん」
「私が言ってるのはここじゃないから」
 裕子が伊藤の肉棒を握った。
「おい、もう勘弁してくれ」
「ふふふ」
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