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千一夜
第29章 第五夜 線状降水帯Ⅱ ②

伊藤は希の体を弄っている女を真似する。出演しているのが中学生だからといっても、いわゆる抜きどころみたいなものはしっかり撮影されていた。膨らみ始めた乳房を覆うマイクロビキニ。尻が丸見えになってしまうTバックのショーツ。誰かが中学生に教えた男を誘う卑猥なポーズ。
伊藤は希に訊ねた。
「いつ出演しているビデオが男の性欲を満たすものだと気づいた?」
希はこう答えた。
「衣装を見せられたとき」
普通の女子中学生なら、乳輪が見えてしまうかもしれないようなビキニなんて恥ずかしくて身に着けることができないだろう。割れ目だけ隠すようなTフロントのパンツなんて見たことなんてないはずだ。
なぜなら、それらはすべて男を興奮させるための道具だからだ。
抱いている女が出ているビデオを見ながらその女を犯る。いつも伊藤は、希の出演しているビデオを流して、希がベッドに潜り込んでくるのを待った。
ある夜、伊藤はユアが出演しているビデオを寝室にあるテレビに映した。希は直ぐに気づいた。伊藤はユアと体の関係がある(あるいはこれから関係を持つ)。だからユアが出ているビデオを流すのだろう。でもそんなことを気にしている場合ではない。自分にはもう一人伊藤の子供が必要だ。子供さえ授かれば、自分の地位は揺るぐことはない。伊藤の女だけではだめだ。伊藤にとって一番の女にならなければならない。そのためには伊藤の種がどうしても必要なのだ。希は伊藤に抱かれるとき、いつもそう思っていた。
希はビデオに映るユアを見てあることに気付いた。何となくだが、ユアは自分に似ている。ボリュームのある体。女であるがどこかワイルドで野性的な容貌。十年経ったら自分はユアのようになるのではないか、そんな雰囲気を希はユアから感じた。そして一つだけユアは自分にはないものを持っていた。それは男をいかせるセクシー女優のテクニック。
自分が出ていたビデオは、激しく男と女が交尾するようなものではなかった。そういう年頃の女の子(中学生や高校生)を好む男たちに向けたものだ。
だから裸同然の格好をしているだけで撮影は済んだ。でもセクシー女優は違う。確かに監督の要望もあるだろう。演出家がそうしろと指示することだってあるに違いない。しかし、培ってきた性技は素人娘が簡単に習得できるものではない。
自分の立場をユアに譲ることなどできない。
伊藤は希に訊ねた。
「いつ出演しているビデオが男の性欲を満たすものだと気づいた?」
希はこう答えた。
「衣装を見せられたとき」
普通の女子中学生なら、乳輪が見えてしまうかもしれないようなビキニなんて恥ずかしくて身に着けることができないだろう。割れ目だけ隠すようなTフロントのパンツなんて見たことなんてないはずだ。
なぜなら、それらはすべて男を興奮させるための道具だからだ。
抱いている女が出ているビデオを見ながらその女を犯る。いつも伊藤は、希の出演しているビデオを流して、希がベッドに潜り込んでくるのを待った。
ある夜、伊藤はユアが出演しているビデオを寝室にあるテレビに映した。希は直ぐに気づいた。伊藤はユアと体の関係がある(あるいはこれから関係を持つ)。だからユアが出ているビデオを流すのだろう。でもそんなことを気にしている場合ではない。自分にはもう一人伊藤の子供が必要だ。子供さえ授かれば、自分の地位は揺るぐことはない。伊藤の女だけではだめだ。伊藤にとって一番の女にならなければならない。そのためには伊藤の種がどうしても必要なのだ。希は伊藤に抱かれるとき、いつもそう思っていた。
希はビデオに映るユアを見てあることに気付いた。何となくだが、ユアは自分に似ている。ボリュームのある体。女であるがどこかワイルドで野性的な容貌。十年経ったら自分はユアのようになるのではないか、そんな雰囲気を希はユアから感じた。そして一つだけユアは自分にはないものを持っていた。それは男をいかせるセクシー女優のテクニック。
自分が出ていたビデオは、激しく男と女が交尾するようなものではなかった。そういう年頃の女の子(中学生や高校生)を好む男たちに向けたものだ。
だから裸同然の格好をしているだけで撮影は済んだ。でもセクシー女優は違う。確かに監督の要望もあるだろう。演出家がそうしろと指示することだってあるに違いない。しかし、培ってきた性技は素人娘が簡単に習得できるものではない。
自分の立場をユアに譲ることなどできない。

