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千一夜
第29章 第五夜 線状降水帯Ⅱ  ②
 伊藤はそう言って激しく腰を振った。希の背中にぴたりと体をつけて、腰を振るたびに漏れてしまう「ハァハァ」という声をわざと希に聞かせた。
 伊藤は、希が恋をした男に嫉妬しながら希のま×こを突き続けた。
「パパ、すごく気持ちいい。いきそう」
「……」
 パパじゃなくて和也だろ、と言おうとしたが、伊藤もまた限界を迎えていた。
 射精の瞬間、伊藤は体をひくひくさせた。伊藤と希の二つの体が一つになった。伊藤はすべての精液が希の膣中で放出されるまで、肉棒を希のま×こから抜かなかった。その間ずっと伊藤は希のうなじに鼻をつけて若い女の匂いを嗅いでいた。
「パパの温かいのが入ってきた」
「誰の精液だ?」
「パパの」
「本当は誰の精子が欲しい?」
「……」
 最近伊藤はいつもそう訊ねてくる。初めて訊かれたときはどう答えればいいのかわからなかった。でも今、伊藤が求める答えがわかる。だから希は少しだけ伊藤を焦らす。
「言え」
「……パパ怒らないでね。私が本当に欲しいのは和也君の精子……ごめんなさい」
「ふん、クソビッチ」
 希は自分の中に収まっている伊藤の肉棒がまだ萎えていないことに気付く。これは儀式だ。こうやって伊藤を慰め伊藤の種を迎い入れるためのセレモニーなのだ。
 雄と雌の交尾が終わる。伊藤と希の秘儀は次のステージに進んでいく。
「おい、股を開け」
 肉棒を希のま×こから抜いて、伊藤はそう希に命令した。希が伊藤に逆らうことなどない。伊藤の命令通り希は股を開いた。
 伊藤が枕元にあるスマホを手に取る。そして希の秘穴から溢れてきた自分の白い精液を撮影する。
「カメラを見て笑え」
「……」
「違う違う、そういう笑い方じゃない。男を誘う冷たい笑い方だ」
「……」
「そう、それでいい。クソビッチ」
「……」
「なぁ、お前は今誰の女だ?」
「パパの女」
「だよな。でもお前さ、誰のこと考えて気持ちよくなっていた?」
「……和也君」
「君なんていらねぇよ」
「和也」
「それでいいと思ってんの?」
「……ごめんなさい」
 希はここで泣きそうになった。
「じゃあもう一度謝れ」
「ごめんなさい」
 希は涙声で伊藤に謝った。
「雌犬が」
 伊藤はスマホをベッドの上に放り投げると、希の体に飛び付き乳首をしゃぶった。ベッドルームにある大きなテレビには、小さなビキニを着た中学二年生の希がまだ映っていた。
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