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千一夜
第30章 第五夜 線状降水帯Ⅱ  ③
「プライベートジェット機は本当に助かりました。もちろん入国の手続きとかはありましたが、誰かからじろじろ見られることはありませんでしたし、そのせいかとてもリラックスできたと思います。写真で一応相手の人は確認していますが、やはり初めて会う人なのでどこか緊張していたんです」
「相手のエロ爺はいくつなの?」
「エロ爺という言い方はやめてください。伊藤さんだって立派なエロ爺ですから」
「そうだよな、ははは。悪かった」
「六十前後くらいかな」
「六十か」
「話を進めますよ」
「頼む」
「空港から向かった先は、その人の別荘でした」
「別荘……」
 社会体制が日本とは違うC国に別荘があるなんて伊藤は知らなかった。
「空港からおおよそ一時間。山の中に向かったのでちょっと心配だったんですが、西洋風の大きな建物が見えたとき、正直ほっとしました。敷地の中にプールもある別荘で、普段その別荘は、その人が一人で使っていると言ってました。とにかく部屋がたくさんあるんで、私とその人だけで使うにはもったいない気がしました」
「食事とかはどうしてたんだ? 山の中だと店なんてないだろ」
「別荘の隣にまた小さな別荘があるんですが、そこで料理や清掃をするスタッフが生活しているそうなんです。毎日の食事はそこから運ばれてきました。ちなみに料理のスタッフは、その人が引き抜いてきた料理人だと言っていました。料理は本当に美味しかったです」
「一つ提案なんだが、その人って言い方は止めて、Aさんにしないか? そうすれば君が話しやすいと思うんだが」
「はい、Aさんですね」
「ああ。ちななみにAはどんな人だったんだ? それと君とAさんはどうやってコミュニケーションをとったんだ? 君はC国の言葉が話せるのか?」
「Aさんは日本語が話せました。日本が好きかどうかは別として、日本には月に一度必ず行くと言ってましたね」
「女目当て?」
「多分。C国には私のファンがたくさんいたので、私も少しだけC国の言葉は勉強しました。伊藤さん、C国語は?」
「辛うじて理解できるのは英語くらいだ。C国語なんてちんぷんかんぷん。で、Aさんはどんな人だったんだ?」
「その前に間違えて伊藤さんに伝えたことを訂正したいんですけど」
「訂正? どういうこと?」
「実は別荘には私を待っていた人間がもう一人いたんです」
「男?」
「はい、男の人でした」
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