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千一夜
第31章 第五夜 線状降水帯Ⅱ  ④
「……」
 どうして? と本当は訊きたかったのだが、伊藤はそれを訊ねることが怖かった。
「男優登場です」
「……」 
 伊藤は黙ってユアの話の先を待つ。どんな男優が登場したのが気になったからだ。
「一人……」
 ユアはそこでわざと言葉を切った。
「一人?  一人って……どういうことだ?」
「ふふふ、二人……」
「3P?」
「ふふふ」
 ユアは首を横に小さく振った。
「おい……」
 伊藤は言葉を失った。
「三人、四人……五人。まだまだ続くのでもう言っちゃいますね。男優は全部で十六人いたそうです」
「十六人!」
 驚きで伊藤は大きな声を出した。
「日本のアダルトビデオの撮影で、男優が十六人なんて聞いたことがありません。そういう場合は契約書の中でセクシー女優と直接絡む男優は誰で、間接的に絡む男優は何人いるのかきちんと書かれています。間接的に絡む男優さん、つまり射精のときセクシー女優の顔や胸に精液をかける汁男優さんのことです。たくさんの男優さんが現場にいますが、撮影の進行や演出の内容がセクシー女優には予めわかっているので、不安や恐怖をセクシー女優が感じることはありません」
「……」
 伊藤はマカオの高級ホテルのスイートルームを想像するのが怖くなった。
「もうおわかりですよね。彼女は絶望したそうです。間違いなく自分は十六人の男たちの相手をしなければならないと」
「……」
「彼女はこうも思ったそうです。十六人の男たちの射精で済むのか……と。この意味、男の伊藤さんならわかりますよね? まだまだ彼女の心配は続きます。この撮影? どのくらいの時間がかかるのか? 思考は怯えに変化しました。考えれば考えるほど彼女の顔は引きつっていったのです。でも十六人の男たちにとって彼女の不安なんてどうでもいいことです。彼女の顔が引きつってそのせいで歪んでも十六人の男優の性欲をおさえることはできません。十六人の男優、それは男優であって男優ではない。日本のセクシー女優を犯る十六人の男たちです」
「それを男が撮影する。それってアダルトビデオの撮影じゃないよな?」
「その通りです。彼女を買った男は、彼女が十六人の男たちに輪姦されるシーンを撮りたかっただけなんです。男たちに輪姦される彼女を見たかった。そして喜びを感じる。そういう性癖を持った男だったんです」
「変態だな」
「ふふふ、間違いなく危ない人です」
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