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千一夜
第31章 第五夜 線状降水帯Ⅱ  ④
「その度に男はニヤニヤ笑って誤魔化していたそうです。私にはできない、日本に帰りたい、そう彼女は必死に英語で訴えたそうです。彼女の英語なんて難しくないはずなのに……、でも」
「でも男はわからないふりをして彼女の訴えを無視した?」
「はい」
「……」
 十六人の男たちの前で何かトラブルが発生した。しかし十六人の男たちにとってはそんなことなんてどうでもいいことだ。獲物がすぐ目の前にいるのだ。十六人の男たちの性欲が、いや獣欲が消えることなど考えられない。獲物を易々逃がしはしない。
「それから」
「ちょっと待ってくれ」
 伊藤はユアが話すのと止めた。
「何ですか?」
「例の音って何だったんだ? 金属とか陶器の音」
「ああ、そのことですね。これは私の推測ですが。それでも構いませんか?」
「構わない」
「彼女には消そうとしてもどうしても消えない記憶があるそうなんです」
「記憶?」
「その一つが匂いです」
「匂い?」
「私も現役のときに3P4Pの経験があるんですが、男優さんが多くなるとそれに比例して男優さんの体臭を強く感じるんです。もちろん、撮影の前には私だけでなく、男優さんもシャワーを浴びますよ。でもシャワーで洗い流すことができない男の匂いってあるんです。それに男優さんはセクシー女優のあそこに挿入するために雄の獣になります。その匂いが重なって私とか他のセクシー女優の鼻孔を通ります」
「十六人の男の体臭か……ゲロがでそうだな」
「そんなのんきなことを言っていられる状況じゃありません」
「悪かった。でも体臭と音にどういうつながりがあるんだ?」
「男たちの体臭に酒の匂いが混じっていたそうです」
「酒? つまり十六人の男たちが女を犯るまえに酒を飲んでいたとういことか?」
「だと思います。乾杯……そんな感じで」
「グラスを合わせる音がそういうふうにきこえたわけか。でも不思議だよな、グラスを合わせるときって何か話し合うだろう。国が違ったって乾杯ぐらい英語で言ったりするんじゃないか? 有り得ないと思うが、獲物に自分たちの存在を知られないようにあえて声を出さなかったりとか……」
「そこが不思議なところで、彼女曰く不気味なところなんです」
「不気味か……何だか気持ち悪いな」
「まさにその通りです。彼女は本当に怖かったと思いますよ」
「十六人の獣の匂いと酒の匂い。それで」
「それで……」
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