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千一夜
第4章 第一夜 三白眼の娘 ④
 雨の降る夜だった。いつものように全裸の黒川と幸恵はベッドで横になっていた。いつもと少し違うのは枕元に置かれた秘具の数だった。バイブに至っては七種類くらいある。ニヤニヤ笑っているのは黒川ではなく、幸恵の方だった。
「こんなにたくさん使うの?」
 幸恵は驚いてそう黒川に言った。
「ニヤニヤ笑って、幸恵は嬉しいんじゃないのか?」
「違うもん、パパのばか」
「違うもん、か。試してみればその言葉が本当かどうかわかるな。それとこれをつけてくれ」
 黒川は幸恵にアイマスクを渡した。
「何これ?」
「目隠しだよ」
「何でこんなのつけないといけないの?」
「いいじゃないか」
「こんなの嫌よ」
「何でだ?」
「なんか怖いじゃん」
「そうそう、そこがいいんだよ。幸恵が不安になるだろ。何をされるかわからない状況で俺が幸恵の体を弄りまくる、どうだ?」
「でも嫌だな」
「頼むよ。パパの頼みを聞いてくれ」
「どうしようかな」
 そんなやり取りの末に、幸恵は渋々黒川の要求を承諾した。
 涼子は幸恵の手や足を拘束することを黒川に勧めたが、黒川はそれを認めなかった。
 どうせ最後には幸恵にばれるのである。そのとき、幸恵の機嫌だけは損ねたくない。まぁ、幸恵からかなり責められることは覚悟しておかなければならないが。
 黒川が幸恵にアイマスクを被せた。
「見えるか?」
「何も見えないよ」
「だろうな、見えたらアイマスクの意味がないからな」
「やっぱり怖いな」
 黒川は幸恵が心変わりする前に全裸の幸恵を仰向けにして寝かせた。
 若い女、いや幼い女の体はいい。何度見ても綺麗な体をしている。若葉の香りをまといながら、ときに淫乱な香りも放散する。
 仰向けに寝た幸恵が胸のところで手を組んだ。黒川はその手をほどいておろした。
「そなことすると幸恵の乳が舐められないだろ」
「乳だって変なの」
「ふん」
 黒川が枕元からローターを取った。これを使って幸恵の乳首を刺激してやるつもりだ。その前に目隠しされ散る幸恵の体の匂いを嗅いだ。胸、お腹、そして陰部。大きく息を吸って幸恵の匂いを鼻孔に送った。
「パパ、何してるの?」
「幸恵の体の匂いを嗅いでいる。いい匂いだ」
「パパのエッチ」
「パパはこれからもっともっとエッチになるよ。幸恵の気が変になるくらいにね」
「パパの変態」
「ああ俺は変態だ」
「ふふふ」
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