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千一夜
第34章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ①

「お前も匂いを嗅いでみろ」
「……」
紗耶香は何も言わずに首だけ横に振った。
「嗅げと言ってるんだ!」
伊藤は声を大きくして紗耶香を脅した。
「……」
伊藤の命令には従わなければならない。紗耶香は嫌々鼻先だけを伊藤の中指に近づけた。
「どんなに匂いがする?」
「えっ?」
「どんな匂いがするのか訊いているんだ」
「……恥ずかしい」
「恥ずかしいことなんかない。女はみんな濡れるし、その汁は匂うものだ」
「ちょっと……」
「ちょっと、ちょっと何なんだ?」
「ちょっと臭いかも」
「ちょっとじゃない。臭いんだよ、お前のま〇この汁は」
「嫌だ」
紗耶香はまた顔を背けた。
「お前の彼だってこういうことをするだろ」
「しません」
紗耶香はきっぱりとそう言った。
「しない? じゃあ訊くが。お前の彼は何のためにお前を抱くんだ?」
「……多分好きだから」
「初めて恋をした中学生みたいな台詞だな」
「……」
「じゃあこれから初体験だ」
「初体験?」
伊藤は自分に何を要求してくるのか、紗耶香の表情が不安で曇った。
「これを舐めろ、命令だ」
伊藤はそう言うと右手の中指を紗耶香の口元に持っていった。紗耶香は自分の汁が付いた伊藤の中指からに逃げようとした。
「……無理です」
「そう言えば許されると思っているのか?」
「……」
紗耶香が首を横に振る。
「その通りだ。お前がこれを舐めるまで僕はお前を許さない。早く僕の中指を綺麗にしてくれ」
「……」
紗耶香は伊藤の中指をじっと見た。舐めなければ許されない。
戸惑っている紗耶香の表情を伊藤はずっと窺っていた。
紗耶香は覚悟を決めた。舐めなければ終わらない。目を瞑り口を少しだけ開けて、伊藤の中指を口に含もうとした。ただ、紗耶香が目を瞑っているせいで、なかなか伊藤の指を口に入れることができなかった。
伊藤は紗耶香の後頭部をおさえて逃げられないようにすると、指を紗耶香の口の中に入れた。紗耶香の顔がしかめ面になった。紗耶香の口に伊藤の中指が入ったが、その指が舐められることはなかった。紗耶香は口をポカンと開けただけだった。そうやって紗耶香は口の中に入っている伊藤の指から逃れようとしていた。
もちろん伊藤はそれを許さない。
「そんな格好していると疲れるだろ。どうせ舐めなければならないんだ。覚悟しろ」
伊藤の言葉に温もりなどない。
「……」
紗耶香は何も言わずに首だけ横に振った。
「嗅げと言ってるんだ!」
伊藤は声を大きくして紗耶香を脅した。
「……」
伊藤の命令には従わなければならない。紗耶香は嫌々鼻先だけを伊藤の中指に近づけた。
「どんなに匂いがする?」
「えっ?」
「どんな匂いがするのか訊いているんだ」
「……恥ずかしい」
「恥ずかしいことなんかない。女はみんな濡れるし、その汁は匂うものだ」
「ちょっと……」
「ちょっと、ちょっと何なんだ?」
「ちょっと臭いかも」
「ちょっとじゃない。臭いんだよ、お前のま〇この汁は」
「嫌だ」
紗耶香はまた顔を背けた。
「お前の彼だってこういうことをするだろ」
「しません」
紗耶香はきっぱりとそう言った。
「しない? じゃあ訊くが。お前の彼は何のためにお前を抱くんだ?」
「……多分好きだから」
「初めて恋をした中学生みたいな台詞だな」
「……」
「じゃあこれから初体験だ」
「初体験?」
伊藤は自分に何を要求してくるのか、紗耶香の表情が不安で曇った。
「これを舐めろ、命令だ」
伊藤はそう言うと右手の中指を紗耶香の口元に持っていった。紗耶香は自分の汁が付いた伊藤の中指からに逃げようとした。
「……無理です」
「そう言えば許されると思っているのか?」
「……」
紗耶香が首を横に振る。
「その通りだ。お前がこれを舐めるまで僕はお前を許さない。早く僕の中指を綺麗にしてくれ」
「……」
紗耶香は伊藤の中指をじっと見た。舐めなければ許されない。
戸惑っている紗耶香の表情を伊藤はずっと窺っていた。
紗耶香は覚悟を決めた。舐めなければ終わらない。目を瞑り口を少しだけ開けて、伊藤の中指を口に含もうとした。ただ、紗耶香が目を瞑っているせいで、なかなか伊藤の指を口に入れることができなかった。
伊藤は紗耶香の後頭部をおさえて逃げられないようにすると、指を紗耶香の口の中に入れた。紗耶香の顔がしかめ面になった。紗耶香の口に伊藤の中指が入ったが、その指が舐められることはなかった。紗耶香は口をポカンと開けただけだった。そうやって紗耶香は口の中に入っている伊藤の指から逃れようとしていた。
もちろん伊藤はそれを許さない。
「そんな格好していると疲れるだろ。どうせ舐めなければならないんだ。覚悟しろ」
伊藤の言葉に温もりなどない。

