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千一夜
第34章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ①
 紗耶香の言葉が本当なのかそれとも嘘なのか、伊藤が確かめることなどできない。伊藤のためにお世辞で言ってるのかもしれないし、紗耶香の韓国人の彼氏が、ただ単に下手なのかもしれない。
 いずれにしても伊藤には関係ないことであり、どうでもいいことだ。
 伊藤は“道具”を今回の旅で持ってこなかったことを後悔した。
 “道具”、それは大人の玩具のことだ。伊藤はいろいろな女と寝てきたが、大人の玩具を使うようなことは一度もなかった。
 紗耶香が経験の少ない素人娘だったことで、伊藤は初めてバイブやローターを使って紗耶香の体を弄りまくった。
 紗耶香の快楽に落とされまいと必死に耐える顔を見たとき、伊藤はおもちゃを使うことは正解だったと思った。
 男の経験が少なければ、おそらくそういったもので自分の体を慰めた経験がないのではないかと伊藤は思ったのだ。
 もちろんその逆もある。男は知らないが、沸き起こる性欲には勝てず、ついつい自分をいかせる道具を使う女。
 だからバイブやローターを紗耶香に使うことはある意味伊藤の賭けだった。その賭けが見事に当たったわけだ。
 しかし、今その“道具が”ない。だから伊藤は紗耶香にこう命じた。
「自分で自分のま〇こを弄って見せろ」
 “道具”がなければそれに代わるもので紗耶香を気持ちよくさせればいい。
「……」
 紗耶香は驚いたが、伊藤の命令に従った。利き手である右手を自分のま〇こに伸ばした。中指を女の突起物の上に置いて、クルクルと指を回した。
「そこが気持ちいいのか?」
「……はい」
「目を閉じるなよ。僕を見てそこを弄るんだ。わかったか?」
「はい」
「お前が今弄ってるところは何だ?」
「……クリ……」
「もっと大きな声で言え!」
 紗耶香の声は段々小さくなっていき、最後の方は聞き取ることができなかったのだ。
「クリトリス」
「そこが一番気持ちいいのか?」
「うん」
 紗耶香は首を縦に振って小さくそう言った。
「中指をま〇こに入れろ。クリトリスを人差し指で弄るのも忘れるなよ」
「うん」
 紗耶香はそう言って今迄クリトリスを弄っていた中指をま〇こ穴に入れた。そして伊藤に言われたように人差し指でクリトリスを弄ることも忘れなかった。
「さっきより気持ちいいだろ?」
「うん」
「遠慮しなくていいんだぞ」
 伊藤はもっともっと紗耶香を辱めたくなった。
「???」
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