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千一夜
第34章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ①
 紗耶香の体を隅から隅までおもちゃにして弄りまくる。そう思うとやはり“道具”がないことが残念でならなった。
 仕方がない、“道具”なしで他人の女を愉しむ。方法なんていくらでもある。それを考えることだって興奮を高める糧となるのだ。伊藤はそう自分に言い聞かせた。
「いい眺めだ。お前のま〇こが丸見えだ。それにしてもお前の彼氏の指は止まらずにお前のま〇こを弄りまくってるな。お前の彼氏はまじでスケベな男だ。でもそのせいでお前のま〇こはぐちょぐちょだ。気持ちいいだろ?」
「うん」
「さて、そのぐちょぐちょま〇こはそのままにしておけないな」
「うん」
「どうしたらいい?」
「……」
 紗耶香は自分のま〇こを弄りながら逡巡している。
「きれいにしないといけないんじゃないか?」
「うん」
「どうすればお前のま〇こはきれいになるかな?」
「ティッシュで拭けば」
「ダメダメ。そんなんじゃ面白くない」
 伊藤は紗耶香の言葉を遮った。
「……」
 一瞬不安が紗耶香の脳裏を横切った。
「ティッシュで拭いても気持ちよくならないだろ」
「……うん」
 紗耶香の返答が遅れた。
「だから僕がきれいにしてあげる」
「……」
「おい、礼くらい言えよ」
「ありがとうございます」
「そういうの大切だからな。で、僕がお前のま〇こを舐めてやる。舐めてお前のま〇こをきれいにしてやるよ」
「……」
「何か忘れてるぞ!」
「ありがとうございます」
「一つ訊いていいか?」
「うん」
「お前の彼氏はお前のま〇こを舐めるのか?」
「……」
 紗耶香は首を横に振った。
「どうして舐めないんだ?」
「わかりません」
「お前の彼氏はお前が好きなんだよな?」
「うん」
 多分、という言葉は使わなかった。
「あっ、わかった。どうしてお前の彼氏がお前のま〇こを舐めないのか。聞きたいよな」
「……」
 紗耶香は小さく首を横に振った。
「臭いんだよ、お前のま〇こは」
「……」
 紗耶香は首を強く振って否定した。
「でも僕はお前の臭いま〇こを舐めてやる」
「……」
「返事は!」
 伊藤は声を大きくした。
「ありがとうございます」
「じゃあ、こう言ってみろ。私の臭いま〇こを舐めてください、と」
「いや」
 初めて伊藤の命令を拒否した。
「言え!」
「私の臭いおま〇こを舐めてください」
「もっと大きな声で!」
「私の臭いおま〇こを舐めてください」
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