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千一夜
第34章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ①
 その言葉を聞いた伊藤はニンマリと笑った。
「おい、目を閉じたりするんじゃないぞ。僕がお前のま〇こを舐めるのをしっかり見ておくんだ。いいな」
「……」
「返事は!」
「うん」
 伊藤は紗耶香の両脚を広げた。整えられていない陰毛に雌穴から湧き出てきた白濁の汁がついている。伊藤は紗耶香の陰部に顔を近づけて紗耶香のま〇こ臭を思いきり吸い込んだ。その様子を見ていた紗耶香はわずかに顔を背けた。
「めちゃくちゃ臭いま〇こだな」
 伊藤が紗耶香にそう言った。
「……」
「勘違いするなよ。僕は褒めてるんだ。ま〇この匂いは臭いと決まってる。それを愉しまないお前の彼氏はアホなんだよ」
 たくさんの女と伊藤は寝てきた。一人一人の女にはそれぞれ味がある。もちろんそれはま〇こ臭についても言えることだ。無臭に近い女もいた。さすがに激臭を放つ女の経験はなかったが、それでも一人一人の女の臭いには違いがあった。
 無臭→平均的な臭い→激臭。紗耶香の臭いは平均よりもやや激臭のほうに位置している。そしてその平均よりも少しだけ臭いま〇ここそ、伊藤の一番の好物なのだ。付け加えるなら彼氏持ちの素人女のま〇こ臭。
 だから伊藤は心に思ったことを紗耶香にそのまま言ったのだ。こういう臭いすら性欲の興奮剤にしない紗耶香の彼氏は、女の経験が足りないのか、それとも本当のアホなのか、そのどちらかだ。女と交わるときは、入念に女の体を隅から隅まで愉しまなければつまらない。
 紗耶香のま〇こ臭をシャンパンで例えるなら、紗耶香の臭いはドン・ペリニヨンではなくサロンだと伊藤は思った。
 なかなか手に入れることが困難な他人の女のま〇こ臭。これから伊藤は恋人がいる素人娘の紗耶香と交わる。まずは食前酒の紗耶香のま〇こ汁からじっくりと味わっていく。
「さてと、それじゃあ舐めてみますか」
 伊藤はそう言うと頭を紗耶香の股座に潜り込ませた。舌を出して紗耶香の秘穴から垂れてきた汁を掬い取った。それを何度も繰り返す。すると汁は伊藤がそうするたびに紗耶香の穴から垂れてきた。
 伊藤はそうしながら紗耶香を窺った。「気持ちいいい」とか「いきそう」なんて言葉は素人娘には似合わない。苦痛なのか快楽なのか、それに命がけで耐えている紗耶香の歪んだ顔のほうが、偽物の台詞よりもリアルでましだ。普通の女はいちいち声なんか出さない。
 それでも伊藤はこう訊ねた。
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