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千一夜
第34章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ①
 伊藤の中に棲みついている悪魔がこう伊藤に囁いた。
「あれを訊いてみろ。そうすればもっと気持ちよくなるぞ」と。
 あれ……とは?
 伊藤は紗耶香の乳首をしゃぶるのをやめて、紗耶香の耳元に口を近づけた。声のボリュームを下げてこう訊ねたのだ。
「どっちのペニスが大きい?」
「えっ?」
 予想していたことではあったが、紗耶香は戸惑った。
 誰かの女を寝取る男に共通していることかもしれない。愛している男とそうでない男のペニスのサイズ。寝取った男は女の口からどうしてもその答えが聞きたいのだ。
 伊藤はその答えを知っている。最初に紗耶香を抱いたとき、紗耶香はこう言った。
「おじさんのおちんちん」
 ぶっきらぼうにそう答えた紗耶香に対して、伊藤は攻撃の手を緩めなかった。
「お前の彼氏のちんぽの大きさについて具体的に言ってみろ」
 愛想なんてない女だったが、それでも「おじさんのおちんちん」という答えにお世辞が含まれている可能性がある。伊藤が知りたいのは真実だ。
「彼のおちんちんはこれくらいの太さで、長さもおじさんのおちんちんよりこれくらい短い」
 紗耶香は人差し指と親指を使って彼氏のペニスの太さと長さを表した。
 紗耶香が言ったことが本当の事なのか、それともやはり伊藤の御機嫌を取るためにそう言ったのかはわからない。実はそんなこと伊藤にはどうでもいいことだった。ただ、こういうシチュエーション(人の女を寝取る)ではペニスの大きさを問うことは、興奮を高めるための大切なピースの一つなのだ。
「どっちのペニスが大きいのかはっきり言え」
 伊藤の声のボリュームが少しだけ上がった。
「おじさん」
「何?」
 紗耶香の彼氏は紗耶香の蚊の鳴くような声を聞き洩らさなかったようだ。
「何でもないよ」
 紗耶香は慌てた。
「もう一度言え」
 伊藤の中に棲みついている悪魔がそう言った。
「だから……」
「だから何なんだ」
 伊藤の声のボリュームが更に上がる。紗耶香との関係が紗耶香の彼氏に知れたところで伊藤はびくともしない。かえって自分と紗耶香が今ベッドで交わっていることを紗耶香の彼氏にはっきりと伝えたい。
 もしそれを知ったら紗耶香の彼氏はどんな反応を示すのだろうか。怒る? それは紗耶香に対してなのか自分に対してなのか? それとも泣く? それくらい紗耶香のことを愛しているということなのか?
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