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千一夜
第35章 第六夜 線状降水帯Ⅲ ②
 おそらく、いや間違いなくアトランタ滞在中に紗耶香の口技が上達することはない。伊藤はそれを期待していないし、性の奥義は簡単に手に入るものではないと思っている。
 逆に拙い紗耶香の口技を伊藤は歓迎している。伊藤の肉棒が紗耶香の口に中に入っても、紗耶香の舌が伊藤の肉棒を慰めてはくれない。「舌を使うんだよ」という伊藤の指示が出なければ、紗耶香の舌は仕事をしない。
 普通の女はそれでいい。なにせ紗耶香は彼氏のペニスを口に入れたことがないのだから(それを証明することはできないが)。しかし、普通の女も男に抱かれ、男の体と欲望を知っていくことで、男女の交わりに何が必要なのか、その極意を会得していく。
 だから伊藤はこう思っている。普通の女はそれでいい。いや、それがいいと。
 お掃除フェラを終えた紗耶香を伊藤は抱き寄せた。伊藤はいつも紗耶香を抱き枕の代わりにして眠りにつく。紗耶香が放散する雌の香りの中で伊藤は眠るのだ。
「一日中部屋にいても退屈だろ?」
 アトランタに来たのに外に遊びに行かない紗耶香に伊藤はそう訊ねた。
「大丈夫です」
「部屋で何をしてるんだ?」
「テレビを見たりとか」
「全部英語だよな?」
「うん」
「わかるのか?」
「ドラマなら何となく」
「何となくね」
「後はスマホで音楽を聴いたりとか映画を見てます」
「せっかくのアトランタだぞ。まぁここにはディズニーランドはないが」
「大丈夫です」
「大丈夫じゃあ困るんだよ」
「えっ?」
 紗耶香は伊藤が何を言っているのかわからなかった。
「大丈夫じゃ困る。僕はお前たちが別れることを望んではいない。それどころかお前の希望通りに、僕はお前たちに結婚して欲しいと思っている。そうでないとつまらないだろ?」
「つまらない?」
「そう、つまらない。段々面白くなってきたんだ」
「面白い?」
「誰かの所有物をこっそりいただくことが面白いということだ」
「……」
「アメリカに来たのに土産を買わないバカはいない。お前のアリバイ作りのためにも有名な観光地には行っておけ。ネットの情報と直に見た感想は明らかに違う。芝居はリアルでないといけないからな」
「……」
「心配するな。通訳がお前を連れていくことになっている。だから思う存分遊んで来い。通訳は日本人の女だ。遠慮する必要はない。わかったか?」
「うん」
 伊藤は紗耶香を強く抱きしめた。
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