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第36章 第六夜　線状降水帯Ⅲ　③

　積極的に悦楽の世界に入り込もうとする紗耶香に伊藤は動揺した。自分との交わりでは見ることがなかった紗耶香の姿。いや自分では紗耶香の本性を引き出すことができなかったと言った方がいいかもしれない。
　ほんの少し心にもやもやするものがあったが、今はそれにこだわってはいられない。伊藤は自分の舌に絡んでくる紗耶香の舌を愉しむ。そしてそうしながら伊藤は紗耶香の乳房を揉んだ。若い女の張りのある乳房。揉みながら伊藤は紗耶香のコリコリした乳首を摘まむ。すると紗耶香の舌の動きが一段と早くなるの伊藤にはわかった。
　紗耶香の舌の動きが早くなったのは、もしかしたら自分のせいではないかもしれないと伊藤は思った。
　今、自分と和子で紗耶香の体をシェアしている。和子が加わることによって、今まで見たことがない反応を紗耶香は示している。歓迎すべきことであるが、それをそのまま受け入れるのには男として少々勇気が必要だ。流してしまえばいいだけのことだが、どこかで何かが引っかかる。伊藤の中の平常心がさっきからぐらついている。
　伊藤の心がぐらぐらと揺れれば揺れるほど、萎れていた伊藤の肉棒に力が注ぎ込まれた、不安になればなるほど伊藤のペニスはまた鋼のように硬くなっていった。
　肉棒の行き先は紗耶香のま〇こ穴。いやいや、それでは面白くない。今現在紗耶香のま〇こを愉しんでいるのは和子だ。和子が伊藤に紗耶香のま〇こを差し出すのにはまだ時間がかかる。3Pは早く済まさないといけない、なんてルールは存在しない。3Pはそれぞれが思う存分愉しまなければいけない雄と雌たちの交尾プレイだ。
　伊藤は肉棒を紗耶香の口に咥えさせようとした。そのときだった。
「伊藤君」
　和子が伊藤を呼んだ。
「……」
　伊藤は目だけを和子に向けた。
「伊藤君、伊藤君のちんぽちょうだい」
「えっ？」
　伊藤は和子が何を言っているのかわからなかった。
「伊藤君のちんぽが欲しいいの。わかるでしょ？」
「……」
　和子の言うことが理解できた伊藤は、紗耶香の体に沿うよう寝て、和子が弄りやすいように勃起している肉棒を和子の前に晒した。
「もうカチカチじゃない、伊藤君のちんぽ。スケベなちんぽだわ」
　和子はそう言うと伊藤の肉棒を平手で軽く叩いた。
「スケベなちんぽにしてくれたのは二人のくそビッチのおかげですよ」
「後で仕返しするから。ふふふ」
　和子は笑った。