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千一夜
第38章 第七夜 訪問者 隠し事について
 京子は私のペニスの先に人差し指をつけて、私のペニスの管から飛び出てしまった男の汁を掬い取ると、ゆっくりゆっくり私のペニスから人差し指を離していった。ペニスの先と京子の人差し指の間にねばついた透明の糸の橋ができた。切れそうで切れない細い橋。
「見て見て亮ちゃん、亮ちゃんのエッチなお汁だよ」
「……」
 顔を背けたくなった。私を辱める京子に少しだけ怒りがわいた。
「亮ちゃんもやっぱり男なんだね。亮ちゃんめちゃくちゃエッチなんだもん」
 私を辱める京子の言葉が続く。
「……」
 残念ながら私には反撃する術がない。いや、そもそもこういう状況でどうすればいいのかわからないのだ。
「ねぇ亮ちゃん、次に何がしたい?」
「……」
「亮ちゃんが答えないと止めるよ」
「続けてほしい」
 辱められても、この先の快楽を私は知りたい。
「だから何をすればいいのかな?」
「京子ちゃんに挿入したい」
「ふふふ、挿入だって、亮ちゃん最高なんですけど、ふふふ」
 もしかしたら京子の笑い声は家の外に漏れたかもしれない。ただ、隣家は私の家から五十mほど離れている。拡声器でも使わない限り、私の家の秘密は外に出ていくことはない。
「……」
「亮ちゃん、この続きは亮ちゃんのベッドでしょう。いいよね?」
「……」
 私は子供のように首を縦に振った。
「私が先に亮ちゃんのベッドに行ってるから」
 京子はそう言って寝室に向かった。私はリビングで服を脱いで全裸になった。ペニスはもう京子に見られている。恥ずかしいことなど私には一つもない。急いで寝室に行く。
 寝室のドアを開けると上半身が裸の京子がベッドの上にいた。京子はジーンズを脱ごうとしている。
 女の裸をこんなに近くで見るのは初めてだった。私は胸が露わになっている京子を美しいと思った。無駄な肉などどこにもついていない美しい体。巨乳ではないが、京子の美乳はまだ地球の重力に抗っていた。
 そのときだった。私はふと咲子のことを思い出した。ただ私が記憶から引っ張り出したのは咲子の胸の大きさだけだ。咲子の胸の方が大きいかもしれない。そんなことで咲子を思い出したのだ。
 所詮は私もただの男に過ぎない。自分を紳士だと思ったことなど一度もないが、私の中に潜んでいた獣に、今の私は支配されている。
 我慢できなかった。ジーンズを脱ごうとしている京子に私は飛びついた。
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