この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
千一夜
第40章 第七夜 訪問者 影

最初に咲子が私の体に手を回した。それから私が咲子の体に手を回して咲子を抱きしめた。キスをする。唇と唇を重ねるだけのキス。子供がするようなキス(子供がキスをする場面に出くわしたことなどないが、多分子供は唇を合わせた次の瞬間、自分の舌を相手の口の中には入れないだろう)。甘い甘いキス。
咲子とキスをした。だが私はこれ以上求めない。私は自分が何者なのかを知っている。私は身の程知らずではない。私は役所の職員で咲子は遠山家のお嬢様だ。咲子の柔らかな唇に触れただけで十分だ。
それにしても困った。柔らかなのは咲子の唇だけではない。ふっくらとした咲子の胸が私の性器を刺激する。私のペニスが咲子の胸の刺激に耐えられずに反応するのが怖い。
私の体と咲子の体はピタリと密着している。下半身だけ咲子の体に触れないように動かすのは無理だ。それにそんなことをすれば、私の体の変化を咲子が知ることになる。わざわざ勃起しているということを咲子に伝えることになるのだ。
万策尽きた。いやいやそれは違う。こういう状況の中で、男と女の間に万策なんてあるはずがない。なるようにしかならないのだ。
硬くなるな、大きくなるなとペニスに言っても私の性器は言うことを聞いてくれなかった。
「ふふふ」
「すみません」
謝罪の台詞しか思い浮かばなかった。
「姉が言ってたんです」
「お姉さまが? 何を?」
「長谷川さん、怒らないでくださいね」
「怒るなんて」
「ふふふ、姉は長谷川さんのことをこう言ってました『この人、女に興味がないんじゃないの』」
「なるほど、そう思われても仕方ないですね」
「でも長谷川さんの胸がドキドキしている」
咲子は私の胸に耳をつけた。
「……」
「それから長谷川さんのこれ、膨らんで硬くなったわ」
「うっ」
いきなり咲子の手が私のペニスに伸びてきた。私の妙なうめき声は咲子の耳に届いたであろう。
「これって何ですか?」
こんなことを言った自分に私は驚いている。
「えっ?」
「だから……これって何なのか……」
「聞きたい?」
「はい」
「どうしようかな」
「咲子さん、ずるいですよ」
「ふふふ」
「笑ってないで教えてください」
「じゃあ耳を貸して」
「……」
私は咲子の口元に耳を向けた。
「おちんちん。長谷川さんのおちんちんが膨らんで硬くなっている」
「……」
私はごくりと唾を飲んだ。
咲子とキスをした。だが私はこれ以上求めない。私は自分が何者なのかを知っている。私は身の程知らずではない。私は役所の職員で咲子は遠山家のお嬢様だ。咲子の柔らかな唇に触れただけで十分だ。
それにしても困った。柔らかなのは咲子の唇だけではない。ふっくらとした咲子の胸が私の性器を刺激する。私のペニスが咲子の胸の刺激に耐えられずに反応するのが怖い。
私の体と咲子の体はピタリと密着している。下半身だけ咲子の体に触れないように動かすのは無理だ。それにそんなことをすれば、私の体の変化を咲子が知ることになる。わざわざ勃起しているということを咲子に伝えることになるのだ。
万策尽きた。いやいやそれは違う。こういう状況の中で、男と女の間に万策なんてあるはずがない。なるようにしかならないのだ。
硬くなるな、大きくなるなとペニスに言っても私の性器は言うことを聞いてくれなかった。
「ふふふ」
「すみません」
謝罪の台詞しか思い浮かばなかった。
「姉が言ってたんです」
「お姉さまが? 何を?」
「長谷川さん、怒らないでくださいね」
「怒るなんて」
「ふふふ、姉は長谷川さんのことをこう言ってました『この人、女に興味がないんじゃないの』」
「なるほど、そう思われても仕方ないですね」
「でも長谷川さんの胸がドキドキしている」
咲子は私の胸に耳をつけた。
「……」
「それから長谷川さんのこれ、膨らんで硬くなったわ」
「うっ」
いきなり咲子の手が私のペニスに伸びてきた。私の妙なうめき声は咲子の耳に届いたであろう。
「これって何ですか?」
こんなことを言った自分に私は驚いている。
「えっ?」
「だから……これって何なのか……」
「聞きたい?」
「はい」
「どうしようかな」
「咲子さん、ずるいですよ」
「ふふふ」
「笑ってないで教えてください」
「じゃあ耳を貸して」
「……」
私は咲子の口元に耳を向けた。
「おちんちん。長谷川さんのおちんちんが膨らんで硬くなっている」
「……」
私はごくりと唾を飲んだ。

