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千一夜
第44章 第七夜 訪問者 夢
大会前の休日になると職員数名が文化会館に向かうことになった。もちろん私も何度か土曜日曜の文化会館音楽ホールに手伝いに行った。
吹奏楽部のある中学高校は私の街に一校だけではない。すべての学校に対して公平に練習時間を振り分ける。だがここで大きな問題が起こった。
通常文化会館音楽ホールは土曜日曜の祝日の開館時間は、朝の九時から夕方の五時までと決決まっている。これではスケジュールが組めない、そこで役所は大会前に限り開館時間を朝の八時から夜の八時まで延長した。部活動のために中学生や高校生に対して夜の八時まで音楽ホールを貸し出すのはいかがなものかと言い出す者もいたが、これについては部活動に参加する保護者の了承を得るということで解決できた。
一つの学校に与えられた時間は二時間。ところが……。
熱のこもった練習は二時間では済まなかった。与えられた時間を五分過ぎれば次の学校の練習時間が五分減ると言うことになる。だが、次の学校もまた減った五分を取り戻すために練習時間を五分延ばす。これが連鎖して、最後の学校の練習終了時刻が午後十時になったことがあったのだ。
生徒の保護者はこの事態を許さなかった。クレームはすぐに来た。
十時まで子供たちに練習させる気か! こんなに夜遅くまで練習させて子供はいつ勉強すればいいのだ!保護者の怒りの先は学校や指導者にではなく役所に向けられた。
公平性が保たれないとして役所は学校側に文化会館音楽ホールの貸し出しを一時中止する旨を伝えた。ところがこの決定に対してもまたクレームが入ったのだ。
街の文化会館を貸さないとはどういうことなのだ!そうクレームを入れてきたのは保護者たちだった。
そこで私が音楽ホールの貸し出しについてルールを作った。ごくごく簡単なルール。
まず、土曜日曜の貸し出し時間の枠を抽選で決めることにした。練習時間は二時間。練習時間終了十分前に職員が練習会場に入る。終了五分前に終了まであと五分だということを指導者と生徒たちに知らせる。終了時間になったらどんなことがあってもホールから退場させる。それを拒んだりした場合は今後一切その学校には音楽ホールを貸し出さない。
各学校は渋々その決まりをのんだ。同じ年頃の生徒がすれ違う際、多少のいざこざはあったが、幸い大事にならずに済んでいる。
これが咲子の父が言ったラッシュアワーだ。
吹奏楽部のある中学高校は私の街に一校だけではない。すべての学校に対して公平に練習時間を振り分ける。だがここで大きな問題が起こった。
通常文化会館音楽ホールは土曜日曜の祝日の開館時間は、朝の九時から夕方の五時までと決決まっている。これではスケジュールが組めない、そこで役所は大会前に限り開館時間を朝の八時から夜の八時まで延長した。部活動のために中学生や高校生に対して夜の八時まで音楽ホールを貸し出すのはいかがなものかと言い出す者もいたが、これについては部活動に参加する保護者の了承を得るということで解決できた。
一つの学校に与えられた時間は二時間。ところが……。
熱のこもった練習は二時間では済まなかった。与えられた時間を五分過ぎれば次の学校の練習時間が五分減ると言うことになる。だが、次の学校もまた減った五分を取り戻すために練習時間を五分延ばす。これが連鎖して、最後の学校の練習終了時刻が午後十時になったことがあったのだ。
生徒の保護者はこの事態を許さなかった。クレームはすぐに来た。
十時まで子供たちに練習させる気か! こんなに夜遅くまで練習させて子供はいつ勉強すればいいのだ!保護者の怒りの先は学校や指導者にではなく役所に向けられた。
公平性が保たれないとして役所は学校側に文化会館音楽ホールの貸し出しを一時中止する旨を伝えた。ところがこの決定に対してもまたクレームが入ったのだ。
街の文化会館を貸さないとはどういうことなのだ!そうクレームを入れてきたのは保護者たちだった。
そこで私が音楽ホールの貸し出しについてルールを作った。ごくごく簡単なルール。
まず、土曜日曜の貸し出し時間の枠を抽選で決めることにした。練習時間は二時間。練習時間終了十分前に職員が練習会場に入る。終了五分前に終了まであと五分だということを指導者と生徒たちに知らせる。終了時間になったらどんなことがあってもホールから退場させる。それを拒んだりした場合は今後一切その学校には音楽ホールを貸し出さない。
各学校は渋々その決まりをのんだ。同じ年頃の生徒がすれ違う際、多少のいざこざはあったが、幸い大事にならずに済んでいる。
これが咲子の父が言ったラッシュアワーだ。

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